一風斎の趣味的生活/もっと活字を!

新刊、旧刊とりまぜて
読んだ本の書評をお送りいたします。
活字中毒者のアナタのためのブログです。

Gloria in excelsis, et in terra pax - 2nd movement

2005-12-15 08:32:14 | Essay
明日(12月16日)は満月なので、星空を見るには条件がよくありません。

昨日に引き続き、「ふたご座座流星群」は観測できずじまい。
ほかの星ぼしも月の光にかき消され、光を放っているのは、金星や、一等星くらいなものです。

蕪村が、
  月天心貧しき町を通りけり
と詠んだのは、今頃の季節なんでしょうか。

したがって、プレアデス(Pleiades)星団なども見ることもできません。
アトラスの7人の娘の内、1人くらい顔を見せてくれてもいいのに。

このプレアデス星団、珍しく日本名があります。
――昴(すばる)。

雑誌名にもなり自動車名にも、歌のタイトルにもなった昴、もともとの意味は、複数の玉(勾玉の使用方法の一つ)に紐を通した装飾品のことだそうです。
なかなか古くからあることばで、ネックレスのように首を飾ったり、手首に巻き付けたといい、記紀にも「御統(みすまる)」として出てくる。

『枕草子』の「星はみすまる……」との一節を覚えている方もいらっしゃるでしょう。
面白いことに、民間では「六連星(むつらぼし)」といい、われわれのご先祖には、この星団、ギリシア神話の7人の娘より1つ少なく見えていたらしい。

ですから、自動車SUBARUのエンブレムには、伝統に則って星は6つしかありませんから、一度数えてみてください。