初めはブルースハープを吹いていました。でもある時、ブルースハープでブルース以外のポップスやジャズが吹きたくなりました。
ブルースハープの音色はつやっぽくて、キュートで、パワフルで、どんな音楽にも合うという確信があったのですが、ブルース以外の曲ではメインの楽器として使われることはそう多くはありません。サックスやギターがフロントでバリバリやる音楽はたくさんありますが、ブルースハープはずっと少なくなります。
曲の中に転調があるような曲をブルースハープでやるときは、数本のハーモニカをもったり、リードを削ってチューニングを変えたり、オーバーブローをつかったりそれなりの工夫、や発明が必要です。
いろいろ手法があることを知っていくのは楽しいことでした。
しかし、本来出にくい音を出すための努力と時間をかけ続けるよりはクロマチックハーモニカの使用を選択しました。
楽な選択ではありませんでしたが、音楽の見方、考え方がブルースハープでとらえていくのとは違うものが得られたと思います。
ブルースを吹いている時は、譜面を必要としませんでしたが、それ以外のポピュラー、やスタンダードは譜面を使用することは自然でしょう。調性やコードの理解も必要になってきます。またここで、探るように理解の階段を上って行くのは楽しいことでした。
ジャズをやろうと思ってから、今までの練習と大きく変わったことに、シーケンサーの使用があります。
ジャズのアドリブには伴奏のコードの変化を聞き分ける耳が必要です。もちろんブルースも同じですが、ポップスやスタンダードの方が目まぐるしく変わるので、また曲ごとにその進行は独自性をもっているので、難しさがブルースとは異なるわけです。
シーケンサーはコードを打ち込めばコードの進行で伴奏してくれるので、その進行にあったアドリブの練習ができるわけです。
しかし、当時の私は自分がやろうとしていることが何かよく解らないもので、それだけに魅力的に思えたのだと思います。
コードトーンを使ってフレーズを作っていくというジャズのアドリブと、ブールースハープでブルースのアドリブを吹くということには差があるように感じられます。歌詩があってボーカリストが歌うブルースと。楽器がメロディーを吹くのがメインになるジャズとの差でもあるし、コード進行の差でもあるとも言えるでしょう。
ブルース、フォーク、カントリーはいわゆる歌もので、歌がある以上、その歌の伴奏になりますから、自然と歌に寄り添うようなアドリブがなされるでしょう。
高田渡氏と一緒の演奏する松田幸一さんのハーモニカソロはそっと歌によりそうようで素敵です。メロディーと同じ感じではいっていって、いい感じで上昇し、メロディーから離れて飛び回るような感じはこの方の一つのスタイルですね。
一方ジャズのアドリブはというと、自由奔放という感じがします。メロディが汽車の旅のようなものだとすると、アドリブはそこからジェットコースターに乗りかえるような起伏に富んだものだと私は思います。
勝手なことを書き綴りましたが、今、どなたかブルースハープを吹いていて、当時の私と同じようにジャズをやってみたいというような状況にいるような方がこれを読んでなにかヒントでも掴んでくれたら嬉しいです。
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