晩夏のプレイボール

またまたあさのあつこさんの小説（短編集）です。これも中学生の息子が読み終わったものを読んでみました。
これまでちょっと辛口になってたあさのあつこさんの小説の感想ですが、これまで読んだ中でこれが一番良かった。

とても短い10編の短編ながら、それぞれに高校野球への想いが詰まっていてバランスもいい。
作品それぞれの主人公の立場がバラエティに富んでいて面白く読めました。
長い話のときの内面描写のくどさが無くて、それぞれの読後感も良く、底辺には、遠くに野球留学をせず地元の高校に進学してそこから甲子園を目指すという、本来の高校野球の姿を理想とする著者の想いも伝わってきます。
この本はある意味で著者の番外編のような短編作品集ではあるものの、逆に一番洗練された作品かと思いますね。