オロロ畑でつかまえて

ひさしぶりにユーモア小説が読みたくなって手に取った荻原浩さんの「小説すばる新人賞」受賞作品。

今やユーモア小説作家などとは呼べない荻原さんですが、最初に読んだ「なかよし小鳩組」も面白かったですし、もともと広告代理店に勤務していたという経歴を題材にしているものが多い著者の小説群は、いつも広告代理店相手に仕事をしているからか私にはとても面白く読むことができます。
中でもデビュー作品であるこの「オロロ畑でつかまえて」は、その際たるものでしょうか。

プロローグのあと、クライアントからはじまってプレゼンやオリテ、パブリなど業界用語がそのまま解説付きで目次になっているのもなかなか興味深い。

過疎化にあえぐ、ど田舎の村の村おこしに倒産寸前の広告社が苦肉の策のキャンペーンを展開する内容ですが、ストーリー展開もスムーズで方言もなごめますし愉快で気分転換にもいい小説だと思います。