のんびりかな打ち日記  ini's blog

NikonD7100やSonyRX100M3で撮影した画像と日々の出来事を“ かな入力 ”でのんびり綴るブログです。

最近の通勤快読2

2006-08-26 00:18:12 | 通勤快読
私が本を読むのは通勤電車の中だけなので、もともとスローペースなのですが、「ウェブ進化論」を読んだ頃からは、その電車の中でも寝てることが多かったので更にのんびりペースでした。

本を読むのにもカロリーを使うので、お疲れモードのときは、電車の中で本すら読めないんですよね(^_^;)

そんな超スローペースの中で最近読んだのは、森絵都さんの「永遠の出口」、稲見一良さんの「セントメリーのリボン」、鯨統一郎さんの「月に吠えろ!」、そして今日読み終えたのが辻仁成さんの「青空の休暇」。

「永遠の出口」は「DIVE!」で気に入った森絵都さんの作品、「つきのふね」に続いて読んでみましたが、もともと児童小説家?だけあって子供心とか中高生の心象表現がとても上手い。
この「永遠の出口」も普通の少女が小学3年生から中学そして高校3年までの成長の過程をエピソードで綴るある意味平凡な(自叙伝風の)物語ですが、非行あり、恋愛ありの主人公の心の動きがとても巧に描かれています。

稲見一良さんの「セントメリーのリボン」は、先日実家に帰省したときに新幹線の中で読みました。
ちょっとハードボイルドタッチなんだけどこれまた非常に味わい深い短編集です。
この中の「花見川の要塞」や「麦畑のミッション」では、ずっと以前に観たスピルバーグの「世にも不思議なアメージングストーリー」というオムニバス映画を思い出しました。
車輪を失った爆撃機の帰還がテーマで内容が良く似ており、そのタイトルも「最後のミッション」でしたから恐らくヒントを得たのだと思います。
また読みたくなる作家ですが、稲見さんはすでに他界されていて新しい作品を読めないのが残念です。

そして「月に吠えろ!」は、「邪馬台国はどこですか?」を読んで以来の鯨統一郎さんの作品。
実在した詩人「萩原朔太郎」が主人公、物語を語る“私”が室生犀星で、ボスが北原白秋、なぜか山さんが山村慕鳥、そしてタイトルが「太陽に吠えろ!」のパロディーという登場人物だけで楽しませてくれる話です。
しかしながらトリックや推理はとても稚拙で残念。ちょっとおちゃらけ漫画みたいなミステリーでした(^_^;)

最後の「青空の休暇」は、ご存知ミポリンのダンナ(辻仁成)さんの作品。
著者は私と同世代。しかしこの物語の主人公は75才でしかも戦争(の傷跡)を題材にながら、青春小説のように苦くて切ない印象を受ける作品です。
主人公に頑固で昔気質を貫いたことを後悔させながらも、ハワイの日系人を通じて現在の日本が失ったものを上手く表現しています。
ミポリンは好きですが、ダンナさんのことはほとんど知りませんし作品も初めて読みました。
でも人気の訳が、ちょっとわかったような気がします。印象に残る物語でした。


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