のんびりかな打ち日記  ini's blog

NikonD7100やSonyRX100M3で撮影した画像と日々の出来事を“ かな入力 ”でのんびり綴るブログです。

誰か

2008-01-11 23:54:54 | 通勤快読
宮部みゆきさんの作品を読むのは久しぶりです。
この「誰か」は単行本から文庫化されるまでの間に新書版で出ていて、そのときも買おうかどうかちょっと迷ったのですが結局読みませんでした。

彼女の作品は20作以上読んでますし、精緻な描写やちゃんとつじつまがあっているストーリー展開など、もちろんハズレはないのですが、最近は全く読んでませんでした。文庫化された主なものは読んでしまったってこともあるんでしょうけど。

そしてこの「誰か」ですが、やはりハズレではありませんでしたが、私のような通勤電車読みの細切れ読書には、前半から中盤にかけてちょっとダルい感じがありました。終盤は一気に読みましたが。
 主人公は今多コンツェルンの会長の妾の「認知された娘婿」という複雑ではあるが、一応、逆玉の輿の立場。そのあたりがあまり嫌味にならないよう表現されてはいます。
しかしストーリーの最後でその境遇を突かれます。
そこで、何も言い返さなかった主人公が、後で遠き日の母親の言葉を思い起こす場面
「男と女はね、くっついていると、そのうち品性まで似てくるもんだよ。だから、付き合う相手はよく選ばなくちゃいけないんだ」
「人間てのは、誰だってね、相手がいちばん言われたくないと思ってることを言う口を持ってるんだ。どんなバカでも、その狙いだけは、そりゃあもう正確なもんなんだから」
結局、やや虚しさの残るこのコメントあたりがこの小説の結論なんでしょうか。


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