またまた今野敏さんの連作短編集。
ハードボイルドタッチな作品にもかかわらず相変わらずシンプルな印象です。
荒削りな印象もあって初期の作だろうなって思ってみたらやはり19年前の作品でした。
でも読みやすいライトな感覚は、最近の作品にも通ずるところがあります。
主人公は茶道の師匠でありながら、武道の達人、いつもいきつけのバーから話が始まってバーにはおなじみの名脇役が集っているというよくある設定。
勧善懲悪的で水戸黄門みたいな部分もありますが、著者が実際に武道の有段者だけに格闘シーンがリアルです。簡単な内容で安心して読める作品でもあります。
そのときどきの気持ちがあって、その気分で本を選びますが、その選択基準のひとつにそういう気持ちがあります。
軽いものが読みたいとか、安心して読み進められるものがいいなぁ…とか。
iniさんがおっしゃっている意味とは、少し違っているかも知れませんが。(^^
正直、著者の作品の中で考えると簡単に書いちゃった感じの話ではありますが、確かに安心して読めますよ。
ある意味予想通りの展開だったり、短編なので気を揉むこともすぐに解決したり…。
夜、寝る前に静かに一杯飲みながら、ちょっと読書でもってときに、ずっしり重いテーマの長編なんて読みたくないですもんね(笑)