この手の本は読まないのですが、ヴィクトリアマイルを見事に復活圧勝したウオッカファンとしては読んでおかないと(^^)
印象的にはウオッカが競走馬として現役中に出さなくても引退してからでいいんじゃないのって感じの本ではありますが、たとえ本を出した後でもしウオッカが低迷して強いウオッカが見られなくなったとしても、すでにそれまでに残した軌跡とそれを取り巻く関係者の思いを伝えたいという著者の気持ちの表れなんでしょう。
事実、この小説は昨年の全レースが終了しウオッカが年度代表馬に選ばれたところで結ばれておりますが、その後、今年に入ってウオッカはドバイ遠征で5着、7着と敗れてしまいました。著者はさぞかしやきもきしていたんじゃないでしょうか。
それでもウオッカは国内初戦となった先日のG1、ヴィクトリアマイルで圧倒的な一番人気に推される馬であり、そしてまた見事に復活の7馬身差で勝利する馬でもあるんですよね。本文では、ウオッカの非凡な才能とそれを引き出す関係者の苦労など、関係者の取材がとても細かくなされて書かれています。
小説として面白いかと聞かれればウオッカファンでなければ、いまひとつピンと来ない本であることも確かですが、競馬雑誌「優駿」に掲載されたインタビュー記事などを織り交ぜてちょっとドキュメンタリー風に仕上げてあるのも特徴でしょうか。
名馬の多くは同じ鞍上で歴史を作ります。例えばダイワスカーレットは新馬戦から4回のG1レース制覇を含めすべてアンカツこと安藤勝巳騎手とのコンビです。
でもウオッカは新馬戦は鮫島騎手、64年ぶりの牝馬でダービーを制したときは四位騎手、その後やや低迷して復活のG1安田記念制覇は岩田騎手、今回のヴィクトリアマイル制覇は武豊騎手と5人の騎手が乗り変わっています。
それはウオッカが比較的負ける馬だということ、結局新馬戦から引退まで連帯率を一度も外さなかったライバル、ダイワスカーレットとは違い、4着、5着、6着、7着、8着がありそして一昨年の有馬記念では11着にも敗れています。
しかし今となってはそれがまたウオッカの人気の秘密にもなっているのです。
ファン投票で1位を獲得する不思議な魅力を持った牝馬であることは、間違いありません。
そのあたりのこともタイトルが「ウオッカの背中」であるように、さりげなく語られています。
ウオッカは今年度のレースを最後に引退との噂です。
私も大好きなウオッカには国内初戦のG1を圧勝した勢いで最後の年の全レースで見事なウオッカの走りを見せて欲しいものです。
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