またまた今野敏さんの作品です。
私の好きな連作短編の形になっており内容もとても良かったですね。
ベイエリア分署シリーズと呼ばれる、お台場を舞台にしたこの警察小説は、解説にもありましたが、まさに 「 踊る大捜査線 」 を思わせる設定です。
でもこちらの方が10年も早いそうなので、踊る…の方が参考にしたかも知れません。
分署は個性派揃いでありながら、主人公の安積警部補を中心としてあるようなないような微妙な連帯感がいい味を出していますし、交機隊の速水とのこれまたコンビでもないコンビネーションがいいです。
とにかく警察小説でありながら、ある意味ライト感覚に読めるところが良くて、ちゃんと短編それぞれに、山場はもちろんニヤッとかホロッとさせるところがあってなかなか読後感もいいですね。
ただ先に著者の長編を4作読んだすぐあとにこの短編を読んで、物足りなさを全く感じないってことは、今野さんは実はこちら ( 短編 ) の方が向いてるんじゃないかとも思えます。
巧妙な伏線とか、仕掛けとかが、ほとんどなく長編もライト感覚だったのでそう感じるんでしょうか。