のんびりかな打ち日記  ini's blog

NikonD7100やSonyRX100M3で撮影した画像と日々の出来事を“ かな入力 ”でのんびり綴るブログです。

風が強く吹いている

2006-11-26 17:24:28 | 通勤快読
三浦しをんさんの箱根駅伝をテーマにした大型青春小説です。

とても素晴らしい!!直木賞受賞後の第1作とのことですが、さすがにいい作品を書かれます。( 受賞作の方は読んでないのですが(^_^;) )

同じ青春陸上小説で先に読んだ佐藤多佳子さん「一瞬の風になれ」も良かったですが、あちらが高校生ならこちらは大学生、とにかく青春しています。それぞれの世代にぜひオススメしたい作品です。もちろん40代の私が読んでも十二分に感動させて頂きました。

「風が強く吹いている」は、特に後半の本番の箱根駅伝での選手10人が襷を繋いで疾走しているときのそれぞれの描写がいい。
走る姿はもちろんのこと、それまでのこの物語はこの最後の各々の走りの背景に絶妙に生かされています。

本当に箱根を目指している方々が読んだら、半素人集団がこんな短い準備期間でなんて有り得ない!と怒られるのかも知れませんが、そこは小説。少なくともこの小説で箱根のファンがさらに増えても減ることはありません。

選手10人とそれをサポートする大家さんや葉菜子さんも含めて、とてもいい個性を持たせています。
ベタでストレートな青春小説ではありますが、ウォーターボーイズとかスイングカールズ等々、最近またそういうのを渇望している部分が世の中にあるような気もします。

ちなみに「風が強く吹いている」のタイトルもいいし、浮世絵風?のカバー絵も物語に見事にマッチしています。