数社でボツになった漫画シナリオ

超美少年の愛(性同一性障害)は修一に恋していたが、ある切っ掛けを機に超美少女に変身して修一と・・・。

愛がイク(247)  新兵器ギロチン

2023-05-22 11:32:16 | 漫画のシナリオ
(247)新兵器ギロチン

四百字詰原稿用紙換算11枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあります。季節は常に真夏である。

登場人物

河原静香(30) 170㎝。髪を夜会巻きにした清楚な美人。写真集の出版社の社長。

近藤進(35)大人しそうなサラリーマンだが気持ちの悪い目をしている。239話に登場。

マックの男性店員(25)

暴走族二十人。全員ノーヘルで不気味な能面をつけている。

N=ナレーション


   近藤に手首を掴まれた静香、恐怖に慄き声も出ない。

   腕を振りほどこうともがきながら、
静香(岩城さん、助けて・・・)と念じる。

   その刹那、近藤が顔面をガヅッと殴られて「ぐぶっ!」と呻く。

   近藤の髪をぐわっしと掴んで、
修一「わりゃ、だれの女に触っちょるんな」

   ウルウル目で崇めるように修一を見て、
静香「岩城さん・・・」

   近藤を怒りの形相で睨み、
修一「静香さんにさわれるのは俺だけじゃ」

   誇らしそうに、
静香「そうよ、私にさわれるのは岩城さんだけなんだから」

   同、室内

   修一、腰のベルトを掴んで持ち上げた近藤を床にドサッと放り捨てる。

   天井のシーリングライトの絵に修一の声、
  「もしもし・・・」

   修一が耳にあてた携帯から「はい、こちら110番です」と応答あり。

   マットレスの上で昏睡してる女の絵に修一の声、
  「大勢の女性が殺されています。住所は・・・」

   修一、要件が済んだ携帯をマットレスの上に放る。

   床に尻をついて怯えてる近藤を睨み据えてポケットからグルグルに巻いたギロチンと名付けたピアノ線状の物を取り出し、
修一「さあて」

注、新兵器のギロチン=長さ60㎝のピアノ線状の物で両端の小さな膨らみにAIが内臓され、修一の命令で人の首に巻きついて一瞬で切断する。

   だらりと伸びて垂れ下がったギロチンの端を持って近藤に見せ、
修一「これが何か分かるか?」

   近藤、得体のしれぬ物を見て怯える。

静香「それなんなの?」

修一「発明家の友達にもらったギロチンという兵器なんよ」

   ギロチンをアップで描いた絵に静香と修一の声、
  「その両端にある膨らみはなんなの?」

  「ここにAIが内臓されてて俺の命令を聞くらしいんじゃが・・・」

修一「今日初めて使うから俺もまだ性能を知らんのよね」

   近藤を睨み、
静香「なら、こいつはうってつけの実験台ね」

   ベランダの外から「ウウー」とサイレンが聴こえたのでそっちに目をやり、
静香「警察がきたわ。はやく殺ってしまわないと」

修一「この変態を殺れ」とギロチンを軽く宙に放る。

   ギロチンが輪っかになって中空で周りをグルグル回るのを近藤があっ気にとられて見上げている。

   マンションの前にパトカーが二台停まり、警官四人がエントランスに向かって駈けてゆくのを上から俯瞰して描いた絵。

   エレベーターの階数表示が10階で点灯する。

   ドアが開いたエレベーターからひっ迫した顔の警官が飛び出してくる。

   同、近藤宅室内

   ギロチンが「ヒュン」と風切音を立てて生き物の如く飛んで首に巻き付いたので、
近藤「ひっ!」と呻く。

注、この時、近藤は咄嗟にギロチンを避けようとして両手の指を挟まれる。

   外通路を警官達があと二十mに迫った近藤宅を目指して駈けてくる。

   同、近藤宅室内

   一瞬で切断してギロチンが首から離れると両手の指がポロリと落ち、首には細い線の後がつく。

   綺麗に切断された首が肩の上から少しずれ動く。

   首がドサッと床に落ちたのを見て驚愕し、
静香(す、すごい・・・)

   ギロチンが輪っか状になって回転しながら修一の掌に戻って来る。

   ギロチンを両手で真っ直ぐに伸ばして感心して眺め、
修一「おお、一瞬で切断したけん、血が一滴もついちょらんわ」

   尚も感心して眺め、
修一「石川君はまたしても恐ろしい武器を作ったものよ」

   玄関ドアが勢いよく開けられる。

   ひっ迫した警官が室内に駆け込んできて、首のない近藤の死体を見て驚愕する。

   一人の警官が風でカーテンがひるがえってるのに気付く。

   その警官が急いでベランダに飛び出てくる。

   そしてベランダから上半身を乗り出して上を見上げる。

   アパッチがベランダから見上げる警官から見えないギリギリの所で屋上上空に逃れたのを上から俯瞰した絵。

   アパッチは屋上の真上高くまで上昇する。

   上空からマンションを見下ろし、
静香「危なかった。あと一歩遅かったら見つかってたわ」

   上空を遠ざかってゆくアパッチに跨り、
静香「それにしても恐ろしい武器ね。人の首が切断されるのを初めて見たわ」

修一「おれもこいつの威力にびっくりじゃわ」

   同、近藤宅室内

   救急隊員が昏睡した女を担架に乗せ、その奥の部屋で警官達が石膏像を見て驚愕してる絵に静香と修一の会話、
  「彼女が昏睡から覚めて変態のスマホを分析したら犯人がわかるだろうけど・・・」

  「犯人が誰に何で斬首されたかは永遠に謎で迷宮入りじゃろうの」

   上空を飛ぶアパッチに跨って修一の背に安堵して抱きつき、
静香「あいつを警察の手に渡してたら殺された彼女らが浮かばれないとこだった・・・」

修一「これで気がすんだか?」

静香「ええ、ありがとう」

   上空を飛ぶアパッチを下方から煽って見た絵に会話、
  「腹はすいちょらん?」

  「今日は怒涛の一日で昼も夜も食べてないから、もうぺこぺこ」

   しまったという顔をし、
修一「変態の家に行く前に静香さんに食事させるべきじやった。気がきかなくてすまん」

   修一の背にぎゅっと抱きつき、
静香「そんな風に気遣ってくれる岩城さんがますます好きになったわ」

   夜空の絵に修一の声、
  「ドライブスルーでバーガーでも買って帰るか?その格好で店に入ったら大騒ぎになるけん」

   我が下半身を見て驚き、
静香「きゃっ、無我夢中で下着のままだったのを忘れてたわ」

   マックのドライブスルーを斜め上から俯瞰して見た絵。

   ドライブスルーの注文する器械の手前にアパッチがゆっくり降りて来て着陸する。

   注文する器械の前で自立したアパッチに跨ったままメニューを眺め、
修一「静香さん、何にする?お腹いっぱい食べてね」

静香「う~ん、ビッグマックと・・・ポテトとコーヒーにするわ。足らなかったら帰って何かチンするし」

   商品の手渡し所の前から修一の前の車が商品を受け取ってゆっくり出てゆく。

   アパッチが手渡し所の前に停まる。

男性店員「おまたせしま・・・」と商品が入った袋を渡そうとして下着姿の静香を見て驚愕する。

   恥ずかしそうに頬を染め、
静香「ありがとう」と商品を受け取る。

   アパッチに跨った静香がゆっくり走り去るのをぼう然と見惚れ、
男性店員(あんな美人とヤレたら死んでもいいわ・・・)

   市街地。片側二車線の左側を走りながら、片手にコーヒー、もう一方の手に持ったバーガーを修一の口にもっていって食べさせ、
静香「ふふふ、店員の呆気にとられた顔を見た?」

   バーガーを食べながら苦笑し、
修一「こんな美女の下着姿をみたら興奮して今夜は眠れんじゃろうね」

   妖艶に笑んで、
静香「岩城さんも眠らせないから覚悟しといて・・・」と言った時に後方から暴走族の爆音が聞こえてきた。

   各々のバイクに二人乗りした暴走族10台がアパッチを追尾してるのを上から俯瞰した絵。

注、暴走族は全員ノーヘルで不気味な能面をつけている。

   修一、右ミラーに映った暴走族を視認する。

静香「バイクで走りながら食べるのもおつなものね」と言った時に爆音と共に周りを暴走族に囲まれる。

   右横を併走する暴走族の二人に凝視され、静香も無表情で二人を見る。

   平然とバーガーをかじりながら修一に、
静香「またギロチンの出番ね」

   修一、暴走族の二人を見てニッと不敵に笑む。

        つづく

コメント
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