15年ほど前に、ある断食道場に合宿に行きました。
そこである時、当時あまり本音では尊敬していなかった道場主が、参加者1人1人に対して「幸福とは何か?」と聞きました。
そのとき私が、「三昧(ざんまい)の境地(※)です。」と答えたところ、くだんの道場主から即座に「それじゃあ自分だけの独りよがりじゃないか!」といきなり喝破されました。
当時私は瞑想に凝っていて、そこで自分なりに幸福というものを考えていたつもりだったので、その一言に相当なショックを受けたのでした。
確かに、人間は1人で生きているわけではなく、他の人間、動物、植物など全ての存在と一緒に生きているのであり、幸福も、それらとの関係性においてのみ語れるはずのものです。
今はそういうことは当たり前のように思うのですが、当時のその道場主の言葉によって気づかされた面が相当あるのではないかと今更ながら思うのです。
いろいろと欠点もあって全面的に尊敬するわけにはいかない道場主でしたが、その点については本質を見事に突いてくれたと思います。その意味では師であると言わなければならないのかもしれません。
ちなみに、そんなにはっきりした根拠があるわけではないのですが、私見では瞑想などの修行をする人は結構この陥穽(落し穴)に落ちやすい面があるように思います。
修行による脳内麻薬の分泌が自分の感覚オンリーの世界観を誘導しやすいのではないかと推察しています。脳内が自律的に気持ちよくなるので、周りのことにそれほど関心がなくなるって感じですかね。ま、当たっているかどうか、確たる自信はありません。
※三昧の意味⇒http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%BB%B0%CB%E6&kind=jn&mode=0&base=1&row=0
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