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トルコを引き戻したい米国

2017-11-26 16:45:24 | IS   中東  アフリカ


米大統領は トルコとの関係を修復するためにクルドへの武器供与を止めると約束したが 困難山積み

 

トルコ外務省によると、11月24日にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はアメリカのドナルド・トランプ大統領と電話で会談、​トランプ大統領はエルドアン大統領に対し、


アメリカはYPG(クルド人民防衛隊)に対して武器を供給しないと約束​したという。


ロシアのソチでロシア、イラン、トルコの大統領が集まってシリア情勢について会談した2日後のことだ。



アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力のシリア侵略計画は2011年3月に始動、当初はトルコも参加していたが、

2016年6月下旬にエルドアン大統領は2015年11月24日のロシア軍機撃墜を謝罪、2016年7月13日にトルコ首相はシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆していた。その2日後にトルコでは武装蜂起はがあったものの、短時間で鎮圧されている。



この武装蜂起について、エルドアン政権は首謀者はアメリカへ亡命中でCIAの保護下にあるとも言われているフェトフッラー・ギュレンだと主張、蜂起の背後にはアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたとしている。



しかも、今年11月にノルウェーで実施されたNATOの軍事演習でトルコ政府が敵だと表現されていたことから​エルドアン大統領は11月17日、自国兵士40名を引き揚げさせると発表​、アメリカとトルコとの関係は冷え切ってしまった。



2015年11月24日のロシア軍機撃墜は同年9月30日にロシア政府がシリア政府の要請を受けて空爆を開始、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に大きな打撃を加え始めたことを受けてのこと。


ロシア軍を脅すつもりだったのだろうが、ロシア側は新型の防空システムを配備、地中海やカスピ海からの巡航ミサイルによる攻撃などで応じた。


ロシアを怒らせてしまったと言えるだろう。



2012年8月の段階でDIA(国防情報局)は、シリアの反政府軍の主力をサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(イラクのアル・カイダ)だと指摘、


つまりバラク・オバマ政権が主張する「穏健派」は存在しないと指摘する報告書をホワイトハウスへ出した。その当時のDIA局長、マイケル・フリン中将はダーイッシュが脚光を浴びる中、2014年8月に退役を強いられている。



2015年にはアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュを危険だと考えるチャック・ヘイゲル国防長官やマーティン・デンプシー統合参謀本部議長がポストを追われ、好戦派が後釜に座る。


つまり国防長官はアシュトン・カーター、統合参謀本部議長はジョセフ・ダンフォードに替わったのだ。


アメリカ軍、あるいはNATO軍を直接、シリアへ軍事侵攻させる準備だったようにも見える。ロシア軍の介入はデンプシーが議長を辞めた5日後だ。




ジョン・ケリー国務長官(当時)の言葉を借りると、ロシア軍の介入によって方程式が変わってしまった。




そして現在、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは壊滅寸前。


アメリカはこうした武装集団をクルドに切り替えようとしたが、クルドはアメリカの思惑通りに動いていない。


イラクのクルドはイスラエルの指揮下にあるマスード・バルザニの影響力が急低下、シリアのクルドはシリア政府軍やロシア軍と戦おうとしていないようだ。




アメリカはバラク・オバマが大統領だった当時に特殊部隊をシリア北部にある7つの基地へ派遣、


トルコ政府によると、クルドが支配している地域に10カ所以上の軍事基地をアメリカ軍は建設済みだとしている。


クルドを手先として使えるなら「満州国」の建設も可能だったろうが、クルドとの関係が切れたなら、こうしたアメリカ軍の基地は孤立してしまう。



トルコとの関係にしても、エルドアン政権がクーデター計画の首謀者だとしているフェトフッラー・ギュレンがネックになる。


この人物をアメリカ政府はトルコ側へ引き渡せないだろう。クルドへの武器供与を止めることも困難が伴う。



https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711260001/








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