米国とトルコの関係は冷え切っているが NATOがノルウェーでの軍事演習で トルコを敵と表現
アメリカとトルコとの関係が悪化していることは本ブログでも繰り返し書いてきた。
アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が目論んだシリアの体制転覆が思惑通りに進まずに長期化、ロシアへ接近して防空システムS-400を購入することで合意する状況になっている。
それでもトルコは
まだNATO加盟国であり、ノルウェーで行われていた軍事演習にも参加していたのだが、
その中でトルコ政府が敵とされていたことに怒ったレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は11月17日、自国兵士40名を引き揚げさせると発表した。
トルコがロシアへ接近する前、両国は軍事衝突へ発展しても仕方がない状況に陥ったこともある。
2015年 11月24日にトルコ軍のF-16がロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜、脱出した乗組員のひとりを地上にいた戦闘集団が殺害したのだ。
この撃墜はアメリカの承認、あるいは命令なしに実行できなかったはず。
ところが、2016年6月下旬にエルドアン大統領は撃墜事件に関してロシアのウラジミル・プーチン大統領に謝罪、7月13日にトルコの首相はシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆していた。
その直後、7月15日にトルコでは武装蜂起があり、短時間で鎮圧されている。
事前にロシア政府がトルコ政府に対してクーデター計画の存在を知らせたとも伝えられている。
このクーデター計画の背後にはアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたと見る人は少なくない。
その一方、今年9月12日にトルコとロシア両政府はロシア製の防空システムS-400の購入で合意している。
つまり、トルコとアメリカの関係は冷え切り、NATO側もトルコは敵になったと考える状況になっている。
それを正直に表現、トルコがNATOから離れる口実を作ってしまったとも言えるだろう。
西側では
NATOの役割を防衛的に描くが、その創設で中心的な役割を果たしたイギリスやアメリカには好戦的な勢力が存在している。
その象徴とも言える人物がウィンストン・チャーチル。第2次世界大戦でドイツが降伏した1945年5月当時、イギリスの首相だったチャーチルはJPS(合同作戦本部)に対してソ連への軍事侵攻作戦を作成するように命令している。
そして5月22日に提出されたのが「アンシンカブル作戦」。7月1日に米英軍数十師団とドイツの10師団が「第3次世界大戦」を始める想定になっていた。
この作戦は参謀本部に拒否され、チャーチルは7月26日に下野するが、彼はソ連との戦いを続けた。
大戦でアメリカ本土は攻撃されなかったに等しく、製造業も無傷で残った。
それに対してソ連はドイツとの戦闘で2000万人以上の国民が殺され、工業地帯の3分の2を含む全国土の3分の1が破壊され、惨憺たる状態だった。西ヨーロッパへ侵攻、占領する余力はソ連軍に残されていなかった。
そうした中、1949年4月に創設されたのがNATOと呼ばれる軍事同盟だ。
参加国はアメリカとカナダの北米2カ国に加え、イギリス、フランス、イタリア、ポルトガル、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、ベルギー、オランダ、そしてルクセンブルクの欧州10カ国である。
NATOが創設される一方、ヨーロッパでは統合の動きが現れ、
EUにつながる。
NATOの秘密部隊は国ごとに名称が違い、例えばイタリアはグラディオ、デンマークはアブサロン、ノルウェーではROC、ベルギーではSDRA8といった具合だ。
こうした秘密部隊全てが米英の情報機関、つまり
CIAとMI6(SIS)のコントロール下にある。
こうした秘密機関の存在が公的に確認されたのは1990年8月のこと。イタリアのジュリオ・アンドレオッティ内閣がその存在を公的に確認、その年の10月にはグラディオに関する報告書を出している。
そのグラディオは1960年代から80年代にかけて
「極左」を装って爆弾攻撃を繰り返し、左翼陣営にダメージを与え、
治安体制を強化して国内の刑務所化を促進した。
東アジアでは当初、上海に拠点があった。
ところが中国では解放軍が1949年1月に北京へ無血入城、5月には上海を支配下におき、10月には中華人民共和国が成立している。
解放軍が迫る中、OPCは拠点を日本へ移動させ、その中心は
厚木基地に設置された。
その1949年に日本では国鉄を舞台とした怪事件が相次ぐ。
7月5日から6日にかけての下山事件、7月15日の三鷹事件、そして8月17日の松川事件だ。
これらの事件は
左翼弾圧に利用されている。
その翌年の6月に朝鮮戦争が勃発した。朝鮮戦争の最中、CIAは国民党軍を率いて
中国への軍事侵攻を試みたが、失敗している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711200000/