山裾の林道を歩いていると、雑木林に絡みついた「サルトリイバラ」の赤い実を、小鳥が啄んでいます。
名前の通りもう少し季節が進んで、すっかり赤い実が無くなった頃、不用意に林に入って行くと、棘を持ったイバラ
の蔓が張り巡らされていて、いつの間にか、身体を獲られて身動きできなくなってしまう事があります。
(由来・・・猿がイバラの中に、追い込まれ身動きできなくなる。)
しかし当地方では、これを「カタラ」と呼んで、昔から春先には、若葉を摘んで茹で「おひたし、あえもの、天ぷら」に
して食べたり、西の地方(関西以西)では、田植の始まる5・6月頃、立派な葉を選んで摘み、カシワの葉と同じよう
にあんこ入り餅を包んで、「泥落とし(田植えが終わり)」と称して、食べる習慣があります。
小さい頃には、この葉に包んだ「カタラ団子(餅)」を食べるのが、田植時の子供達の楽しみの一つでもありました。
吉沢独陽
識らず知らずに 来は来てみたが
さるとりいばらの 赤い実が
ぽつりぽつりと あるばかり
遠い昔の おもいでに
雑木林の細道の 空の深さよせつなさよ
今日も良い一日であります様に
「長崎の鐘」を秋川雅史
の歌でどうぞ