のんきいきいき So(走) Happy! -櫻庭健一の日記-

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早野龍五さん・糸井重里さん共著「知ろうとすること。」お薦めです!

2014年11月30日 07時34分11秒 | Weblog
昨日一気に読み切った本。
早野龍五さん・糸井重里さん共著
文庫本「知ろうとすること。」

お薦めします。
対談形式ですのでさくっと読める。
「本は苦手」という方でもすらすらと読み切れるかと。

原発事故後の放射線の影響。
この問題に関しては諸説、いろいろな考えがあることは知っています。
東京大学の理系の教授が事実を積み上げて語る言葉には説得力がある。
私も今は文章を書いたりしていますが、元々は理系の人間です。
「ちゃんとしたデータ」の裏付けがないと信用できないタイプ。
そして私も含め人間は、大丈夫だと頭でわかっていても、硬直思考になってしまうことは多々ある。

この本の中でのたとえ。
振り子の先に刃物を付けて振る。
振り幅のすぐ外にいれば安全。
科学的にはそう。
でも人間としては平気じゃない。
理屈だけで割り切れるものではない。

これもこの本でのたとえ。
本屋さんで平積みの本。
「汚れていないなら一番上の本を買う」
そういう行動は必要なんじゃないか。
汚れていないとわかっていても一番上の本は避けてしまう。
漠然とした不安。
そこから一歩踏み出さなきゃならないのじゃないか。

この本。
多くの方に読んでいただきたいです。
原発事故後の放射線の問題。
日本人なら人ごとではないはず。
先入観を持たず、食わず嫌いをせず。
まずはこの本を読み切っていただきたい。
その上で
「この本に書いていることはおかしい、信用できない」
と感じたのであれば、それはその人の見識、価値観。
人間は皆違うのだからその考え方も尊重しなければならないでしょう。
でもまず最後までこの本を読まないことには話にならない。

きちんとしたデータを踏まえず、漠然としたイメージだけで
「福島県産農作物(検査で安全が保証されていることが大前提でも)は危険」
「福島(居住が許される場所であることが大前提でも)近辺に住むことは危険」
今でもそういう感覚の人は多いのじゃないかな。

私自身、不勉強で申し訳ないのだけれど。
福島県産のお米はすべての米袋についてセシウムを測定していることを初めて知りました。
2012年度、0.0007%が基準値超え。
それもちゃんと書かれている。
当然このお米は市場には流通していない。
基準値の根拠についてもきちんと書いてある。

ひとつこの本への不満点をあげるなら海産物の安全性に関する記述がなかったことかな。
食するもの。
農産物が安全と主張するなら、海産物についても言及して欲しかったな。
早野さんなら、悪いデータも含めてきちんと検証、説明してくれると思うから。

人間、納得しなければ安心はできない。
放射線の問題については特にそうでしょう。
そして日本人なら避けて通れない問題。
もう一度言います。
早野龍五さん・糸井重里さん共著
文庫本「知ろうとすること。」
是非お薦めします。