株式会社 文化財保存活用研究所 Blog

大分県を中心に文化財の保存修復をメイン事業として活動している「株式会社 文化財保存活用研究所」の企業ブログです。

万弘寺~大分市坂ノ市~

2010-09-02 17:29:22 | 文化財
どうも。うめです。
8月も終わってしまいましたね~。
以前よりは寝苦しさは無くなった気がしますが、
まだまだ暑いですね。
早く涼しくなってほしいです。


今回は大分市坂ノ市にある万弘寺に行ってきました。
場所は坂ノ市小学校の側になります。

この万弘寺は585年に創建された県下で最も古い寺院だと伝えられています。



この万弘寺の縁起には聖徳太子とその父親の人皇第31代用明天皇が
関わっています。

用明天皇は天皇に即位した年に密かに筑紫や日向など
九州を旅行していたそうです。
現在の坂ノ市のあたりに来られた時、
病気になってしまい、歩み疲れて大きな石に腰をかけて休んでいました。
その際、行脚中であった豊国法師に病気が治るように祈願してもらい、
薬師如来像を刻んでもらったところ体調が良くなり、
無事に大和へと帰ることができました。
その後、豊国法師を開基として万弘寺が建てられたということです。


境内に入りますと、左側に用明天皇にゆかりのあるものが並んでいました。



こちらが用明天皇が腰を掛けられた石と伝えられているものです。



そしてこちらが豊国法師によって刻まれた薬師如来像になります。


以前は本堂の中に安置されていたそうですが、
現住職さんがお参りに来られた方皆さんが拝めるように
現在の場所に移したそうです。
本来は扉が閉まっているのですが、
見学に行った際、住職さんが扉を開けてくださりました。
住職さん、ありがとうございました。



さて、この万弘寺にはとても有名なものがあります。
それが「万弘寺の市」というもので、通称「だまし市」
と呼ばれる市です。
これは海岸部に住む人や山間部に住む人が海の幸や山の幸を持ち寄り、
万弘寺門前の真っ暗やみの中で物々交換をするというものです。

この市の始まりは、万弘寺が造営されたころ
多くの参拝者が昼夜を問わず毎日のようにおり、
その参拝者同士が親しさを増すに従い、
お互いの善意の贈り物が頻繁になり、
それが物々交換へと発展したといわれています。

非常に盛んな市であったため、サカンニチと呼ばれており、
それが現在の坂ノ市の地名になったといわれています。


この市は現在も毎年行われており、
現在の御本尊である観世音菩薩の縁日である
5月18日から1週間、多彩な行事とともに行われているとのことです。


万弘寺の隣が大きな広場になっており、
そこで行われるそうです。



来年は僕らも参加したいです。



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