株式会社 文化財保存活用研究所 Blog

大分県を中心に文化財の保存修復をメイン事業として活動している「株式会社 文化財保存活用研究所」の企業ブログです。

文化を護る 未来へ繋ぐ 株式会社 文化財保存活用研究所

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大事な言葉

2015-08-30 08:02:20 | 日記
こんにちは

いつも台風が発生すると勢力や大きさ、速さ、進路をマメにチェックしています

今回の台風はずっと勢力を保ったまま九州に接近、上陸しました
940~950ヘクトパスカルで九州に上陸とはめったに無いケースです

速いスピードで九州を駆け抜けたものの、これによる被害は文化財も例外なく受けています

殊に今回は風が強かったことがあり、
屋外文化財周辺の森林環境の変化で引き起こされる被害の可能性について考えてさせられました

屋外文化財の保存を考える時に周辺環境を整える方法がありますが、
ある研究者の方がおっしゃっていた印象的なお言葉、「木1本で環境は変わる」

山間にあることが多い屋外文化財、
周辺環境とのバランスを保ってきたことが永く遺されてきた大きな要因とも言えます

森や林のシステムは全ての要素がひとつひとつ歯車として機能していて、その一つでも欠けるとそのバランスが崩れてしまう

木1本でも
壁1枚でも
水みち1本でも

ほんの少しの変化が大きな変化をもたらすきっかけになることを
この言葉は教えてくれます

この言葉に加えて

「木を見て森を見ず」にならない

今起こっている現象だけにとらわれず広い視野を持って観察力、想像力、予測立ての力を養いなさい
現場の声無き声を聞き取ることの大事さを思い出させてくれます

そして、

「文化財保存に終わりは無い」

これも文化財保存を始めた時に衝撃を受けた言葉でした

文化財も生きている
命ある限り適切な処置と維持管理を施しながら
後世に引き継いでいくという強い意志を感じる言葉です


屋外文化財では今回の台風みたいに人間の手ではどうしようもできないことが起こって悩ましいことの連続です

ですが、台風をはじめとした自然災害の被害も文化財ではひとつの歴史としてとらえることが出来ます
それを早く復旧させることが今、私たちができる最大限のことと考えてこれらの言葉を思い出しながら対応していきたいと思います




























今年の夏は・・・

2015-08-27 20:26:09 | 日記

 こんにちは、馬頭です。先日は大型台風が九州に上陸しましたが、大分市では特に大きな被害もなかったようで安心しました。しかし、実家がある熊本のほうでは停電など大きな被害が出ており、改めて自然災害の恐ろしさを認識しました。これから台風シーズンとなりますので、しっかり防災対策などに取り組みましょう。

 さて、8月も残すところ少なくなってきて、いよいよ今年の夏も終わりが近づいてきています。最近では、日中も少し涼しく感じる時間もあったりと季節の入れ替わりを実感させられます。今年の夏はどうすごしたかと振り返ると毎年のことですが、夏らしいことは全くと言っていいほどできませんでした・・・。こういった方は意外と私だけではないはずです。ということで、そういう方のためにお知らせしたいのが、「夏らしいこと」の定番である「お祭り」が今年も開催されます。

 8月29日(土)より臼杵市の国宝臼杵石仏では、臼杵石仏火祭りが開催されます。千本の松明で照らされた石仏は幻想的で、いつもとは違った表情を見ることができます。太鼓演奏や盆踊りなどのイベントも行われますので、夏を満喫された方もそうでない方もぜひご参加ください。

国宝臼杵石仏火祭りのご詳細はこちら→http://sekibutsu.com/blog/?p=4387

 追伸 今日は現場帰りに夏らしい風景を見れたので、今年は夏らしいことができたことにしたいと思います。来年こそは・・・

長崎県島原半島の千々石展望台からの風景


お盆休みはどうでしたか?

2015-08-22 23:21:51 | 日記

どうも、ウメです。

今週も大分は暑い日が続いております。

仕事関係で外にいる時間が長いせいか、

ふと見ると、二の腕付近はグラデーション。

今年も焼けたな~と思いながら、白いままの足と見比べております。

さて、今週はお盆休み明けだった方も多いと思いますが、皆さんはお盆休みは楽しめましたか?

私は前回のブログで書きましたが、実家へ帰ってきました。

終電を逃して東京駅で孤立というハプニングはありましたが、足利市や佐野市へも行けたんで、何だかんだで始まりから終わりまで楽しめたと思います。

お盆に実家に帰った際は家族との予定を会わせ、毎年母方の祖父母のお墓へ行くようにしております。

母方の田舎は福島県のいわき市になるのですが、毎年お盆の行事や飾り付けなどをしっかり行う地域(もしくは家)のように感じます。まあ、他の地域をあまり知らないのですが・・・。

独特なものとしては市の無形民俗文化財にも指定されている「じゃんがら」と呼ばれる踊念仏があり、

小さいころは音や踊りを不思議な気持ちで見ておりました。

家の仏壇には毎年おいてあるキュウリの馬と茄子の牛。

送り火や迎え火をすると、小さい頃に見た庭で送り火や迎え火の火をたく、祖父を思い出します。

母親の兄弟から聞かせてもらう祖父母の昔話は大きくなってはじめて知った内容もあり、小さい時からもっと話をしておけばよかったと寂しい気持ちになってしまいます。

今年ふと気になったのは仏壇に飾られているお札。

文字は「南無阿弥陀仏」と書かれているのですが、

なぜか逆さま。

「川勘定(かわかんじょう)」というもののようですが(漢字は違うかもしれません)、

逆さまの理由などについては誰も知りませんでした。

ただ、伯母が昔飾りつけをしていた時、祖父から逆さまという風に教わったそうで、

文化の継承とはこういうことなのかなと感じました。

確実に意味はあると思いますが、

ある段階から意味が抜け落ちてしまい、←(母方の実家はここ)

最終的には異なった形になってしまう。

現に、業者などに仏壇の飾りつけを頼むと、普通の方向で飾りつけをしてしまう業者もあると言っておりました。

意味が分からない状況のため、どっちの向きが正しいとは言い切れませんが、

何も知らずにお札をみれば、そりゃ逆さに飾ろうとは思いませんよね。

 

最後にもう一点、気になっていることなんですが、

上で書いたような「じゃんがら(踊念仏の一種)」や「川勘定(お札に南無阿弥陀仏)」はどう考えても仏教系なんですが、母方の実家の地域はとある伝説が伝わっており、その関係上、お寺がほとんど無く、お葬式などは神道系なんですよね。

宗教が入り混じったような状況に、毎年不思議な気持ちになりますが、

まあ、現代日本では宗教や宗派などは全く気にされない事柄なのかもしれません。

 

という具合に、お盆のたびに色々と気になるいわき市。

いつか時間をとって、色々と調べられればと思います。

 

 


みんながリレー走者

2015-08-15 21:25:33 | 日記
こんにちは

戦後70年目の終戦記念日だった今日
無事に何事もなく平和な休日を迎えることが出来ました

戦争で犠牲に遭われた方々の上に成り立っているこの平和な社会に感謝してもし足りない位です

でも、戦争を知らない世代が増えて、語り継ぐ人たちも少なくなり、関心が薄れていくことはむしろ自然なことのように思います
人間は時間を経ていくことで痛みや哀しみを軽減していくようになっているからです
そのために喉元過ぎればなんとやら、同じ過ちを繰り返してもしまう
ダメなところもある生き物だとも思うのです
そこをしっかり自覚しつつ、受け継いできた平和をちゃんと後世に引き継いでいかなくてはいけません


「地球全体の生命保全が危なくなっている。人間同士が争ってる場合じゃない。」
銀河鉄道999の作者松本零士さんがおっしゃっています
本当にその通りだと思います
人を傷付けず、人も地球も救える人間が増えれば良いのになと思います
僭越ながら私もそんな人間になれればいいなと思います

難しいこと書いてしまいましたが、今は文化財を遺していくお手伝いが出来ているこの平和に感謝して、70回目の終戦記念日を終えようと思います

地球も平和も文化財もみんながリレー走者となって引き継いでいけれたらいいですね!









この道を行けば

2015-08-13 15:56:51 | 日記

 こんばんは、馬頭です。「今年の夏は暑い。」というフレーズを最近よく耳にします。各地で猛暑日が続いており、外で作業している時、水分補給用にペットボトルの水を近くにおいていると30分もたたずにお湯になっています。去年が雨が多く、夏らしくなかったので特に暑く感じてしまうのかもしれませんね。「暑さ寒さも彼岸まで」というので、そろそろ涼しくなってくれるとありがたいです。

 さて、今週はお盆休みをもらい、実家の方に里帰りしました。私の実家は熊本なのですが、大分から下道で車で帰ると約3時間ほどかかります。道中は竹田や阿蘇など景色がきれいな場所が続き、ちょうどよいドライブ気分で帰郷しています。しかし、昔は車もなく道路も整備されていなかったのだと思うと想像もできない大変さだったと思います。

 大分市の今市に所在する「今市石畳」では昔の「道」を見ることが出来ます。江戸時代の参勤交代の際に使われていた豊後鶴崎と肥後熊本を結んでいた石畳道を当時のままでのこされています。豊後岡藩の宿場として中川氏により設けられたこの道ですが、幕末には勝海舟や坂本竜馬も通ったと言われています。

 

 大分と熊本を結ぶ道となると江戸時代だったら、この道を通って帰郷していたのかと思うと感慨深いものを感じます。

 お盆明けはUターンラッシュで交通事故などが多発します。交通ルールを守って安全運転で帰宅しましょう。