ばばの日記

団塊世代 仲良し夫婦の暮らし
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じじの料理・アバシャ鍋

2008年02月26日 09時32分38秒 | Weblog
2月26日(火)

新婚以来?じじがひっさしぶりに台所に立った。

と言うのも・・・・・

一昨日の昼、ばばの友達が遊びに来てくれ、

その時に「ハリセンボン」を持って来てくれたのだ。

方言で「ハリセンボン」のことを「アバハ」とか「アバシャ」とか言う。

じじが大病をしたことを知っている友人は、じじに元気になって欲しいと、

いろいろな物を届けてくれてる。

友人は、じじとばばに「アバシャ汁好き?」と聞いた。

好きも何も、ばばは食べたことがないと言うより、

ハリセンボンが食べられるとは知らなかった。

じじは、「それは珍しい!おいしいよ、高級食材だよ」と言う。

食べたことあるのかなあ?

「肝も入っているから、おいしいよ」と友人。

(肝?)ばばは一瞬フグのことが頭に浮かんだ?

ハリセンボンって、フグの仲間?

体型は似ているよなあ・・・など。肝って毒はないの?

早速、夜「ハリセンボン鍋」にしようとじじとばば衆議一決。

しかし、昼に水炊き食べたよなあ・・・

とにかくハリセンボンは冷蔵庫に入れず、夕食に食べよう・・

友人は「まず、ハリセンボンをぶつ切りにして、お湯を沸かしてかけて、

臭みを取っ、鍋に入れる時も沸騰した所へ入れるように」と

何回も念を押して帰った。

じじは、ハリセンボンのことをインターネットで調べた。

「大丈夫。毒はないんだって」と言う。

さて、夕方の散歩から帰ってもカチンコチンに冷凍されたハリセンボンは

チラとも解けていない。

仕方がないので、もう一回冷蔵庫に入れて明日の晩使おうと、

またじじとばば衆議一決。



そして、今日。夕方、冷蔵庫からハリセンボンを出してみた。

ハリセンボンという名に似つかわしくなく、

千本とも言われる棘は一本もなく、綺麗に抜かれてピンクのツルツル肌だ。

たくさんの棘を抜くのはさぞや重労働だっただろうなと、

捌いてくれた人の苦労を思う。肝は別に分けられている。

しかし、見れば見るほど不思議な格好をしているなあ、

棘なしのハリセンボンって。頭部はヤケに大きく、

肝を抜かれた胴体は尻尾の方に行くに連れ細くなっていて、

その形は、なんとなく凧と似ていなくもない。



ばばは、加計呂麻時代、

水槽で小さくて可愛いハリセンボンを飼ったことがあるが、

今目の前に横たえられたハリセンボンは、その何倍も大きい。

ばばは、生の魚を扱うのは正直得意ではない。だから、じじに頼むことに。

じじは腕まくりをして、台所に立ちビニル袋から出したハリセンボンを

筒切りにしようと奮闘するが、なかなか包丁の刃が立たない。

包丁の刃が折れてしまうかも知れない。

そこで、ばばは刃が欠けても良い包丁を出してあげた。

悪戦苦闘するじじの横でばばは何回も何回も

「ねえ、肝食べて大丈夫?もしも、二人とも死んだらどうする?」と脅かす。

じじは、「フグじゃないから大丈夫」と自信満々。

「本当に100%大丈夫?」とばばもしつこく聞く。

この時点では、ばばも食べる気満々。


ばばは、離れたところから見守ることに。

じじ、やっと頭と胴体は切り離したが、頭を二つに割ろうとしてもとても無理。

肝を抜いた胴体は空っぽ。

仕方がないので頭と胴体と肝と3分割で煮ることに。

網笊に入れた上から熱湯をかけて・・・・その後煮たたせた鍋に投入、

沸騰させる。

ハリセンボンは体長30㎝以上もあったので、鍋の一杯になった。

そしてびっくりしたのは、体に比べ頭がとても大きかったこと。

ばばの拳二つ分くらいもある。

煮ている時の臭いもすごい。生姜やニンニクを入れた方が良かったのか?



じじ、ここまで大奮闘。



しばらく煮た後、野菜を入れるのはばばがしようと、

鍋の蓋を取ると、「ウェエ~~~~~」

ハリセンボンが鍋の中からばばを恨めしそうに睨んでるうううう!

つぶらな瞳で・・・ここでばばの食べる気は、すっかり失せてしまった。




「じじ!ダメッ~~~ハリセンボンが睨んでる!」

じじは「じゃあ」と言ってハリセンボンの顔の向きを反対に向けてくれた。

その横で白菜・人参・シメジ・豆腐などを切りつつも

ばばは匂いが嫌でたまらない。

切った物を投げ込んで、味噌も適当にぶち込んでじじに味見を依頼。

「ちょっと辛いかな?」と言うので、

水をカップ一杯ぐらいジャーと継ぎ足しておしまい!

後はもう、ばばは、しーらないっ。




ばばは他のおかずで夕食。

じじは刺身と野菜でほぼ満腹。

けっきょく数十年ぶりにじじが台所に立ち、

材料を切ったり霜降りにしたりして作った「アバシャ鍋」は

今夜は誰の口にも入らず・・・明日は・・・・・???????





それにしても、じじが台所に立って料理をするなんてことは滅多にないことだ。

新婚時代は加計呂麻で、ばばの体調が悪い時、みそ汁や野菜炒めも作ってくれた。

じじの料理は、ばばのように野菜でも何でもチマチマ残して

次のメニューに使おうなんてケチなことをしないし、豪快に材料を使うので

とてもおいしかった。

そのじじが、いつ頃からか全く台所に立たなくなった。

ばばが単身赴任中には、じじ母に頼りっぱなしの3年間であったらしい。

ばばが徳之島に帰って来て、じじがばばより1年早く退職した時は、

昼だけは「じじスープ」なる野菜の具てんこ盛りのみそ汁を作っていたらしい。

しかし、残念ながらばばは一度として味見させてもらったこともない。



今夜の「アバシャ鍋」、あの強烈な匂いさえなければ・・・

ハリセンボンが、鍋の中から、あの愛くるしい目で

ばばの方を見さえしなければ・・・・・・

ばば、大喜びで食べただろうに。

じじ、ごめん!!!!

一人で「アバシャ鍋」完食して下され。

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