業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

後日談

2007年08月30日 | 事例検討
その後のお話を。

8月23日(木)
トシオさん、ひがしクリニックで最後の透析日です。
ホントはこの日からもうみなとクリニックに転院するはずでしたが、トシオさんはナマホですから、自立支援医療受給者証を書き換えなくてはならず、トシオさんのナマホの担当ワーカーの山田さんがこの日までお休みをとっていたためその手続きが出来ず、あと1日だけひがしで透析を受けることになったワケです。
最後の最後まで透析ナースやスタッフに
「ワシは本当はここで透析をしたいんじゃい!なのにハリケンが余計なことをしたからこんなことになったんじゃい!!」
とゴネていたトシオさんでしたが、私はもう何も言いませんでした。

トシオさんが透析を受けている間に写経に出向き、トシオさんの資料を手渡す。
直近の居宅サービス計画、利用票、使っている事業所の情報。
それから私が必死で作成した、同居家族のいるお宅に家事支援を入れるための同意書・確認書。
ナマホのワーカーさんからの確認書と、トシオさん宅で家族がすべきこととヘルパーが出来ることをきちんと区別して文書にし、トシオさんに捺印してもらった同意書です。
それから新しいケアマネさんにこれまでの支援経過を話して帰りました。
あとは野となれ山となれです。

事業所に戻った私は、あらためてトシオさんのところに行き、挨拶。
トシオさん、いろいろな行き違いや思い違いがありましたが、これまで担当させていただきありがとうございました。トシオさんのおかげでとても勉強になりました。私が感情的になって担当ケアマネをおりたせいでトシオさんにご迷惑をかけたこと、本当にすみませんでした。これからもどうかお元気で。

トシオさんはちょっぴり名残惜しそうに
「うん、わしもハリケンさんには世話になったんじゃい」
と言ってくれました。
やれやれ、こうして下手(したて)に出れば、何の問題もないトシオさんです。
一体どうして私はあんなにも
「こんな○○○○ィの担当なんか、もう1日だって続けられない!
キ-------------------ッ!!!!!」
て気持ちになってしまったんだろうかと思いました。
しかしもう後の祭りです。
そしてトシオさんに頭を下げて去ろうとしましたが、おっと忘れてた、どうしてもひとつだけ聞きたいことがあったんだ。
「ところでトシオさん、今日トシオさんの新しいケアマネさんにトシオさんの情報を引き継いできましたが、一体またどうしてトシオさんは、あんなに嫌っていた写経のケアマネさんに担当を依頼されたのですか?」
私が聞くと
トシオさんの顔色がみるみる蒼白に
----------やっぱりそうか(内心笑)。
トシオさん、ひがし区介護保険事業所が写経だと知らなかったんだな。
トシオさんは
「ワシは写経なんかに電話しとらんのじゃい!」
と。
「いいえトシオさん、トシオさんは自分で写経に電話され、ケアマネをやってくれと頼まれたんですよ。」
「写経だとは知らなかったんじゃい!」
「だと思いました。しかしもう今からこの話をひっくり返すのは難しいですし、それにトシオさんがお嫌いなのは写経のヘルパーさんであって(それも逆恨みだし)写経のケアマネさんではありませんしね。大丈夫ですよ。」
とニッコリ笑って退場。
透析センターを出てから私がこっそり、思う存分笑って笑って笑ったのはいうまでもありません。

8月24日(金)
トシオさん、内藤ケアマネに居宅介護支援計画作成依頼。
これで私とトシオさんとの縁は完全に切れました。
透析は土曜日からみなとクリニックに変更。透析センターとの縁も切れました。
-----------ところが
ここにきてトシオさん、突然
「ワシゃやっぱり、ひがしクリニックで透析がしたいんじゃい!!」
とゴネ始めたのです。
お休みが終わって出てきたナマホ課の山田さん大激怒
トシオさんは電話で1時間近くねばったそうですが、頑として聞きいれナシだったそうな。
それからトシオさんは森の神にもナキを入れて来ましたが、さすがの森の神もどうすることも出来ませんでした。
「言わんこっちゃない。可哀相だけど、まあトシオさんも1度他所の透析施設を経験してみればいいんですよ。」
と苦笑いでした。
もしかしたらトシオさん、1ヶ月ほどしたらまたひがしクリニックに戻って来るかも知れません。
しかしそんときゃ私は無関係です。



それから、トシオさんの新ケアマネの内藤さんですが



申し訳ありませんが、バカなケアマネさんでした。
8月27日(月)
内藤さんから電話がありました、なんだか怒っています。
何かありましたか、と聞くと
「ハリケンさん、ハリケンさんがトシオさんのお宅に組んだヘルパーさん、これ身体介護になってますが、透析の方の食事を作るのが身体介護になるというのは何か根拠があってのことなんですか?」
と言うんです。
「はぁ?そうだと思いますよ、トシオさんは糖尿病で透析患者ですから、医師から食事や水分について制限の指示が出てますし、ヘルパーさんには医療機関の栄養指導も受けてもらっていますし、私というケアマネを介して資料や検査データも送ってますし。だいいち保険者の許可として、ナマホのワーカーさんの確認書も取ってますから」
と答えると
「国保連に確認しましたか?」
だと。
おまえにいちいち私の仕事の手順を確かめられるいわれはないわ!とムカムカしながら
「いいえ、私は国保連には電話しません」
「だったら--------------」
「いまドキ国保連に電話するケアマネなんかいませんよ。国保連や県に電話しても、『保険者がいいと言うならいいですよ』と言われるだけですから」
「じゃ、ナマホ課の山田さんはそういう介護保険のイロハを知ってらっしゃるんでしょうか」
「その点は私も何度も聞きましたし、だから文書で確認を取ったんです。なんなら私がしつこく何度も山田さんに『治療食ですよ?身体介護ですよ?保険者意見ととっていいですね?』と書いている連絡票をFAXしましょうか?」
「あ、それお願いします。それから、その特段の調理が身体介護になるということが記載してある条文かなにか、どこで見たかわかります?」


私は平成12年の老計10号の一文
身体介護とは(中略)((3)その他専門的知識・技術(介護を要する状態となった要因である心身の障害や疾病等に伴って必要となる特段の専門的配慮)をもって行う利用者の日常生活上・社会生活上のためのサービスをいう。(仮に、介護等を要する状態が解消されたならば不要となる行為であるということができる。)
までコピーして貼って、FAXで送ってやりました。

「すみませんね、なんせウチも、写経ですけど、半官半民、監査は来るもので、厳しいんですよお」



利用者のみなさん、そして事業者のみなさん。
写経のケアマネさんには気をつけましょう。
老計も見ないバカがいますから。


※ 特段の専門的配慮をもって行う調理については、医師の指示等に基づき適切な栄養量および内容を有する特別食(腎臓食、肝臓食、糖尿食、胃潰瘍食、貧血食、高脂血症食、痛風食、燕下困難者のための流動食等)が想定されているが、具体的な取扱いは現場の状況により保険者の判断によって行われたい。糖尿食はカロリー計算をその都度行うため、透析食はカリウム除去や塩分計算を都度行うため特段の専門的配慮をもって行う調理と解される。(どっかのQ&Aより)