業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

ケアプラン料 5

2007年08月29日 | 事例検討
「転院するのはハリケンがそうしろと言ったからじゃい!
全部ハリケンのせいなんじゃい!!
自己チューな我侭があとに退けなくなっただけなのに、全て私のせいにしてゴネ始めたトシオさん。
アタマに来て、トシオさんに罰を与えようと、
「トシオさんを担当していく自信がなくなりました。
他のケアマネを探していただけませんでしょうか
と言い放った私。

8月21日火曜日の終業前にはもう、トシオさん宅のヘルパーをお願いしていた某訪問介護事業所Fから連絡が入りました。
「トシオさんから電話があって、ケアマネをお願いしたい、と言われた」
と。
私は『やっぱりそうきたか』と苦笑し、
「ええ、実は色々と行き違いがありまして、ケアマネをクビにしてもらうことにしたんです。そちらのケアマネさんでお願い出来れば1番いいと思ったのですが」
と説明しましたが、残念なことにその事業所Fでは居宅はまだ準備中らしい。
なので、ヘルパーさんたちからみて、トシオさんをお願い出来そうな、ヘルパーさんとも連携の取れそうな方を探してみる、ということに。
こんなことになって本当に申し訳ないが、どうかよろしくお願いします、と言いました。
そして私も主任のカニちゃんと事務長にコトの次第を報告。
すみません、こんなことになって、と謝りました。
事情はわかっているものの、やはりケアマネ側から利用者に
「やめさせてくれ」
というのはよくないことです。
しかし
「トシオさんのケースで、ハリケンさんがこれまでどんなに大変だったのかはよく知ってますし、ここでケアマネをかえてみて、トシオさんに色々わかってもらうことも必要かもしれませんしね。」
と言ってもらいました。
とはいえトシオさん、ケアマネ探してこれるだろうか。
もう8月も終盤だし、今月いっぱいはこちらでフォローしてくしかないだろうな。



思っていたんですが---------------
この時点ではまだコトの重大さを理解していなかった私。


翌日8月22日(水)午後
一本の電話が。

相手はひがし区介護保険事業所。
つまり写経です。
「わたくし、ひがし区の写経のケアマネで、内藤(仮名)と申します。
この度田中トシオ様よりご依頼がありまして、ケアマネジメントを担当することになった者ですが
とおっしゃるんですわ。
まさか、あの写経嫌いのトシオさんが、と思ったので
「どういう経緯で写経さんに?」
と聞くと、どうやらトシオさん、透析を導入したC病院の地域医療連携室、つまりMSWに電話で相談し、そこから
『ひがし区の介護保険事業所はどうですか?』
と言われたらしい。
※ トシオさんのような利用者さん、公的な事業所でなければムリだとMSWもわかってるんです
さてはトシオさん、『介護保険事業所』と『写経』の違いがわからなかったな。
私は可笑しくなりながらも、ざっとコトの経緯を説明しました。
そしてあらためてトシオさんのケアマネを内藤さんにお願いすることとなったのです。
内藤さんはトシオさんと私のいざこざ?について遠慮がちながら知りたがっておられたのですが、私は「まあ色々とありましたのでとてもひとことでは…しかし実際に内藤さんが担当なさればすぐにおわかりになると思いますので」程度にとどめました。
そして翌日ケアマネ同士会って、引継ぎをすることになったんです。

内藤さんが
「ではどうしましょうか、今月ももう終わりですが、この8月の給付管理はこちらでさせていただいてよろしいのでしょうか」
と言われたんです。
普通ケアマネさんが担当を引き継ぐときは、その月の終わりはもとの事業所にやってもらって、新しい月から次のケアマネさんに引き渡します。
必ずそうとは限りませんが、大抵の事業所間では円満に引き継ぐためにそうします。
私もトシオさんのためにこの8月さんざん働いてきたのですから、せめて今月のプラン料はもらいたかったのがホンネでした。
なので
「おっしゃるとおり、もう月末ですから、今月はこのままこちらで給付管理させていただくわけにはいかないでしょうか」
とお願いしたのですが




------------ダメでした。


「これは利用者様から依頼があって、早急に変えたいということでこちらが動いたことなので、申し訳ないですが明日にでも保険証の書き換えをさせていただきます」
と言われました。

そりゃそうだ。
しかしまさか、まさかまさか


8月早々にナマホのワーカーさんから、同居家族のいる利用者に対する家事援助の導入の許可をとり、居宅サービス計画を作成し、トシオさん宅に入ってくれるヘルパー事業所を探し、初回面接に付き合ってサービス担当者会議をやり、介護券が早く出るように計画と利用票をすぐにナマホにもって行き、同意書や確認書も超特急で作り上げ、

初日にトシオさんからヘルパーにクレームが出たのでそれにも対応し、ウチの栄養課からは膨大な資料を作ってもらってヘルパー事業所に届け、ヘルパーさんたちは無償でC病院の栄養指導に出てもらい、

透析センターからの呼び出しにはすぐ馳せ参じ、トシオさんをなだめたり説得したり説明したり繰り返し、森の神にも何度も頭を下げ、次の透析施設にも何度となく電話し、トシオさんのしたいようにさせてやろうと走り回った挙句に悪者にされ


そんな日々がすべて
私がたった1度癇癪を起こしたせいで
タダ働きと
なってしまった。






法人は私にカラ給料を払わなくてはならないし、トシオさん対応のせいで訪問もそっちのけでやってきたため他の利用者さんにも申し訳ない。
立ち直れない。





もう呆然としました。
まさかこんな結果を招くとは----------てゆーか、トシオさんにキレた時点でこのことを考えなかった自分がバカでした。
アホか、私。
調子に乗って、森の神のマネなんかして、「気に入らないなら他所に行け」と利用者に制裁を与えたつもりになって、結果がこれです。



その日1日私は、カニちゃんたちがのちに
「気の毒すぎて声もかけられなかった」
と言ったほどに燃え尽きていました。

そうです、皆さん、私は燃え尽きました。
ハリケンは
真っ白な灰になりました。


笑ってやって下さい。