業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

介護の相性学

2006年07月13日 | 業務日誌
久々に、ハリケンin超真面目モードです。

まずはこの記事をお読み下さい。

厳選!今日の介護関連ニュースクリップ 2006,7,4
記事本文より抜粋
「この人は要介護度いくらだから、週何回訪問介護」なんて決めるのがケアプランだと思われているが、そんなものはコンピューターがやればいいことだ。現場の人間が作るケアプランは、「あの利用者さんならあのホームヘルパーが担当になってこうかかわれば笑顔が出るはずだ」というふうに、固有名詞が出てくるようでなくては困る。

ケアマネさん、この記事を読んでどう思われましたか?
私は正直、「なんて無茶なことを」と思いました。

これは介護福祉業界のカリスマ、医療界の異端児、三好春樹先生のコラムの一文です。
私は新米介護職の頃には三好先生の介護哲学に心酔していました。
現在でも彼の思想は業界のそこここに生きており、福祉学科の学生であれば、彼の著書を必ず1度は手にした経験があるはずです。

しかし、わたし的にはこのコラム、いただけません。
そもそもケアマネージャーが利用者に対してヘルパーのコーディネートをすべきだとは思いません。
そんなことをしていたら、特定のヘルパーに仕事が集中するだけです。
それほどに信頼できるヘルパーさんの数は少ないんですから。

利用者がヘルパーといい関係を保つため、ケアマネに出来ることは、私たちケアマネが個々の利用者に望むケアを実践できるヘルパーを養成する手助けしかないと思います。
利用者についてケアマネが持つ情報はすべてヘルパーに与え、解釈の誤りなどで関係がうまくいかなかったりすれば軌道修正に手を貸します。
利用者が良い関係を作れるヘルパーをあてがうのではなく、そんなヘルパーになってもらうための手伝いをすべきでしょう。

また、このコラムの末文にある
「でも、一人のヘルパーとの親密な関係ができると、そのヘルパーが辞めたりしたときにショックが大きいでしょう」と言うのは、大手の介護業者の責任者だ。そうならないよう、毎回訪問するヘルパーを替えているという。でもそれって、「親は先に亡くなるんだから、母子関係を作らないようにしよう」と言ってるようなものだよ。
というのも気に入らない。
例えが極端すぎます。
介護の関係と親子関係は引き合いに出すべきじゃないと思います。
なじみの関係と親子関係は別ですし、ヘルパーやケアマネなど支援者は利用者の家族にはなり得ないし、またなってはならないと思います。
ヘルパーやケアマネは利用者の娘・息子・またときにはヨメ・ムコになり、利用者の家族構成に空いた穴を埋めるべきなのでしょうか。

確かに支援者たるもの、利用者の個性や特性を把握し受容して、信頼関係を作り、「あなたがいなくてはどうしたらいいかわからない」「ずっと私の担当でいてね」と言われるくらいの関係になれるよう努力すべきだとは思います。
でも、入所者に終(つい)の棲家を提供する施設とは違い、在宅介護は利用者をいかにして自立させるかが本道です。いつかはヘルパーさんが来なくても自分で家事が出来るように、それがムリならばヘルパーさんに手を借りることを最小限に、そう考える方向に進んでいます。
「あなたにピッタリのヘルパーさんをご紹介します」
それはケアマネの仕事ではないと思うのですが、他のケアマネさんやヘルパーさんはどう思われますか?

 コメントへのお誘いです。ふるってどうぞ。興味を持たれた方には是非いつか、ご自分のブログでもこのコラムへのご意見を書いていただきたいです。それほど私は違和感を持ちました。皆様はどうなのでしょうか。