青い約束 (ポプラ文庫) | |
クリエーター情報なし | |
ポプラ社 |
アナリストとして活躍する修一は、高校時代の親友・有賀と再会する。二人の仲を引き裂き、恋人を永遠に奪った“あの事件”からすでに二十年以上の歳月が流れていた…。
現役の新聞記者が書かれただけあって国債の話などやや専門的なところまで突っ込んで書かれているのでそういった面では読み応えのある内容。組み合わされている過去の事件の真相=自殺が再会をきっかけに解きほぐされていくという内容です。経済小説と恋愛小説的な要素が組み合わさったような感じではありますが意外にも組み合わせとしては悪くないかなあと思います。 結末自体はなんとなくそうかなあとは思いつつ、取り戻せない過去というののやるせなさを感じさせられ、ジンとくる内容でした。 学生時代を過ぎ、社会人になってみるとだんだんと青春時代が色あせてくるものですがそれでもなおその時代のキーとなる部分は心の中で引っかかったままという人は少なくは無いはずです。 この話の中身はもっと事件チックではありますがそうではなくとも個人の持っているそういった引っかかった部分を呼び起こしてくれる物語であったように思います。 「経済談話」のところは必要性については紆余曲折ありますが個人的にはおすすめな小説です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます