Takekida's log

千里の道も一歩から

夫婦という病

2016-09-24 22:03:29 | Books
夫婦という病:夫を愛せない妻たち
クリエーター情報なし
河出書房新社


晩婚化・少子化が進行するのと同時にその根本の要因ともなっていそうなそもそも交際相手がいないというような統計もあり、このままでは日本から子供がいなくなってしまうのではないかというような予測も東北大でされています。3011年で子供はいなくなる推計

夫婦になってもうまくいかないという確率は増えているようで結婚した人における離婚率は1/3程度なのだとか。アメリカは1/2程度なのでまだよいのかもしれませんがこれは驚くべき数字なのだと思います。この本はそんなすれ違う夫婦仲に対して背景にどんな問題が隠されているのかというのを精神医学の見地から分析したものです。簡単に言ってしまえばその原因は幼いころに受けた育児に起因しているということになります。要因さえわかれば理解は進むのでしょうし対処する心構えも違うわけでそういった点としては精神医学で単なる精神論でない点はすごく面白く感じましたし、子供を育てるうえでも知っておいて損は無い内容だと思います。
 緊密な対人関係を築く際には「愛着スタイル」というものがあるそうです。哺乳類にはオキシトシンというホルモンを介した愛着を育む仕組みがあり、これを幼い時期に十分に育てることが出来ないと不安定型の愛着スタイルを持つようになってしまうということ。
そしてこの不安定型には回避型と不安型という二つのパターンがあるとのことです。回避型というのは愛情を避けようとする行動に出やすいということで深いところまで関わり合いを避ける傾向にでていわば自分を守る行動に出るタイプ。不安型というのは逆にこの愛情の欠乏から過剰(と思えるほどの)愛着スタイルを持つようになるタイプとのこと。恋人が出来ても束縛がきつい人とむしろ自由奔放としているひとの違いはこういう風に分類されるわけです。悩みを抱えた場合、不安型は周囲に過剰なまでにかかわろうとするのに対し、回避型は逆に閉ざそうとする。相談された時の反応自体も真逆というのが特徴です。
前述の不安定型か否か=安定型/不安定型の違いも合わせれば大きく4つのGrp.に分類されることがわかります。

安定・回避型 パートナーとの安定を求めるがあまり深くかかわろうとせず物足りなさを感じやすい。
       ドライな家庭のイメージ
安定・不安型 パートナーとの安定を求め不満を持ちつつも献身的に尽くすただ悪口は言っても別れるまでの行動には出られない
       昔の古い日本の家庭のイメージ…
不安定・回避型 パートナーへの執着はあまりなく特定な人間との絆を確立したがらない。表面的な関係に終始することが多い。
        無関心でありながら嫉妬心を発揮する場合もある
不安定・不安型 常に自分を第一と考えて自分本位に支えてくれる存在を消費していく。少しでも愛情が不足するとパートナーの          気を引く行動に出てかかわらずをえない行動に出る。知り合って間もないころは良いが新鮮さがなくなってくると
        むなしさを覚えて周期的に激しい恋をしてわかれてしまうことが多い。
これを見る限り不安定型の人はそもそも結婚あまりうまくいかないように思えます。パートナーで安定・不安定のタイプであれば
なかなか溝を埋めるのはなかなか難しいことなのでしょう。ただこの本にはそういった違いを乗り越え絆を高めた事例が多く紹介されていますし時間や年齢で変わっていくものなのでこれだから駄目ということではないのですし意識して帰れることもあるでしょう。
 上手くいかない場合もタイプを知れば生物学的な観点から少しは気分は楽になるのだと思います。相手をねたみ始めては何も起こりませんが与えることから始めれば与えられるもの、愛情というのはそういうものなのだと思います。オラフの言葉「愛っていうのは自分より人のことを大切に思うことだよ」ということばはまさに核心をついていると思ってしまいました。自分は安定・回避型の典型だと思います。だからこそ与えることから始めるべきなのだと思いました。  

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