![]() | 家族という病 (幻冬舎新書) |
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幻冬舎 |
家族=幸せの構図に一石を投じている本。筆者は戦後で仲の良い家族というものを知らずに親に対する反抗を常に胸に持ち続きながら生きていることがひしひしと伝わってきます。その真骨頂が最後の家族への手紙。80近くになって死別してもなおここまでの感情を持ち続けているというのはちょっと驚きです。確かに家庭環境的に恨みたい気持ちもあるのかもしれませんがそういった感情を持ち続けるということも相当エネルギーがいるはずでなんだか読んでいてつらくなりました。話もあまり論理的にはまとまってなくドンドンと負のポイントを羅列している感じなのでまとまりのなさも否めません。しかも他人から聞いたリプライベートな話を載せていたりして書かれた人はどう思うのかと思ってしまいました。
確かにいちばん近くいながら分かり合えていない存在だというのは否定はしませんがこれが家族のすべてだというのもおかしな気もします。家族というものに負の面もあることはもちろんかと思います。自分の利益だけ優先すれば時間、お金、責任とか含めて面倒くさいものであることは確かですが家族であることの喜びというのも少なくはありません。家族という存在が否定する人が増えている背景には情報が氾濫し、負の面も強調されるようになってきたからというのもあるかと思います。ただそういったことも知ったうえで自分が精一杯生きるうえで次世代に希望を託すというのは価値のあることだと個人的には感じるのです。
筆者が子供がいなかったからどうだということはありませんが実際子育てをして自分がどれだけ手間がかかっていたのかと自分の姿と重ねることで感じるものがあるはずでそういった想像しての思いという配慮もなかったのは悲しかったです。ただこういう感じ方をする人もいるのでしょう。家族というのが一義的であるべきとは思いませんのでこういう考え方もありかと思うのですが筆者の視野の狭さに悲しくなりました。
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