Takekida's log

千里の道も一歩から

地球生物史から学ぶこと

2023-06-17 23:38:01 | Books
 
超圧縮 地球生物全史 ヘンリー・ジー (著), 竹内 薫 (翻訳) 
 なんと一冊に地球の生物史=38億年をまとめてしまったという意欲的な本です。訳者の竹内さんがイラストなども追加しているのでイメージはつきやすくなっていますがもうちょっとイラスト開設は欲しいかなといったところ。ですが1冊で網羅できるというのはすごいことかと思います。
 こういって振り返ることが出来るのは人間の特権なので重要なのは過去に学ぶということでしょう。ただ事実としては生物というのは一定の繁栄があっても必ず絶滅していくという事実です(5つの大きな絶滅をすでに経験)。要因としては1つ目に環境そのものが生物に適合しなくなること。これは太陽の周りの公転が楕円で伸縮していること、地軸の傾きが変化していること、地球の自転軸の歳差運動があることで10万年おきに氷河時代が訪れることがあるだけでなく恐竜の絶滅に見られるような宇宙からの変動要因というのも無視できないというのがあります。生物のピラミッドも食べ物もバランスの中に存在しているので一つの歯車の狂いがすべてに影響してくるわけです。 2つ目は人間自身に起因するもので種が人間自身の活動で滅ぼされていることや人間自身の人工も今後減少に生じる見込みであること、遺伝子的に同質であり過ぎることことが挙げられており、本書では次の第6の絶滅まで持っても数千年ではないかとの予想です。ですが人間(ホモサピエンス)が特別なのは自身が地球に与えた影響を認識して修正することが可能な唯一の種であり前述したように過去から学ぶことのできる唯一の種となっていることです。 それこそが希望なのかもしれません。本書も「だから、絶望してはいけない。地球はまだ存在し、生物は生きている。」と締めくくられています。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 過ぎざるは及ばざるがごとし:... | TOP | ご褒美が与えられない事情 »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | Books