Takekida's log

千里の道も一歩から

低成長性時代の右脳型マーケティング

2016-09-03 21:30:57 | Books
コトラー8つの成長戦略 低成長時代に勝ち残る戦略的マーケティング (碩学舎ビジネス双書)
クリエーター情報なし
碩学舎


以前読んだ本によれば経営者は左脳型、マーケターは右脳型などと言われますが経営者とマーケティングというのはややずれがあったりすることが多いものです。製品がいいのに売れないとか言っている人はやっぱ視点が間違っているのだと思います。これからはマネジメントとマーケティングは一体で考えていかなくてはいけないのだと思います。

先進国ではもはや成長はほとんど望むことが出来ません。成長しているマーケットであればだれもが恩恵を享受できるわけですが成長しないマーケットでは限られたパイの取り合いになり過当競争が繰り広げられます。そんな低成長時代にこそマーケティングを見直すべき。というのがこの本の趣旨で著者はマーケティング界の巨人と言われるコトラー兄弟です。

8つの戦略とは以下の通り
(1) マーケット・シェアを築いて成長する
(2) コミッテッド・カスタマーやコミッテッド・ステークホルダーを増やして成長する
(3) 強力なブランドを築いて成長する
(4) 新製品、新サービス、そして経験を革新して成長する
(5) 国際展開による成長
(6) 合併、買収、アライアンス、そしてジョイント・ベンチャーによる成長
(7) 社会的責任の卓越した評判で成長する
(8) 政府およびNGOとの提携による成長

当たり前じゃないかと思われるようなことが並んでいるようにも見えるのですが 低成長時代こそまだ掘り起こされていないマーケットを掘り起こすことが重要であり、その手段がマーケティングというのが筆者の主張。既存の仕組みを変えてやることによって市場を掘り起こす経営技術というのがマーケティングというのが考え方。この本ではさらにこれを実現するためのクリエイティビティやリーダーシップということでマーケティングの本でここまで言及しているというのは面白いように思います。またマーケティングというのは決して他者を蹴落とすための手法ではなくすべての人により良い生活と夢を売るための手法なのであるという言及もされています。技術とマーケティングというのはなかなかつながりにくく、とやかく溝が生まれがちですがこの時代ではそんなことは言ってられないのだと思います。
マーケティングはあくまで相対的なもので舞台に立つ役者の演出みたいなイメージだと思っています。つまりはそのマーケットという舞台での俳優/女優のキャラクターがほかの役者と相対的にどのようなパフォーマンスを出せるかというところで決まるのではないかということです。そういった意味で自己認識から自身を修正できる能力は非常に重要になるかと思います。 
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