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修二会(お水取り)、戒壇院別火坊にて試別火はじまる

2016-02-21 14:13:00 | 日記
二十日から奈良に春を告げる東大寺のお水取り、修二会
752年より途絶えることなく続けられ、
今年でなんと1265回目となり、
前行の試別火(ころべっか)が雨の中始まりました。
心身を清めて精進生活のなかで、つまりこの日から
俗世を離れ、清浄な火を使うことから「別火」と呼ばれており、
試別火の間、練行衆は仏前に供える造花を支度したり、
声明(しょうみょう)を稽古したりされるそうです。
27日からは、私語や土の上に降りることも許されない厳しい行
惣別火(そうべっか)へと続き、

三月一日から二月堂にて大たいまつで有名な修二会本行へと。

      昨年の二月堂、ご香水を頂いた時の写真です。

なお別火は二月堂ではなく、戒壇院別火坊で行われ、
この『戒壇院』は「空前絶後、唯一無二、四天王像」として
以前JR東海のCMで紹介されておりましたが、
日本仏教の黎明を告げるための『授戒』を授けに
来日された鑑真和上により建立されております。
この授戒とは、仏徒として生きることを釈迦に誓う代わりに、
三師七証の高僧に導かれて、宣誓する受戒の儀式だそうです。

戒壇院は別火の行になんとふさわしい場所なんでしょうか。
天平時代の四天王像、迫力ある眼差しのこの守護神は、
本行へとむかう連行衆たちの心の中まで、
見据えおられるのでしょう。

練行衆は11名で、東大寺とその末寺の僧から選ばれます。
次のような役割で、
四職(ししき)
和上(わじょう)  練行衆に戒を授ける(3月1日と8日)
大導師(だいどうし)最高責任者として修二会を指揮
咒師(しゅし)   密教的修法(神道的作法も)を行う
堂司(どうつかさ) 修二会の進行役
平衆(ひらしゅ)
北衆之一(きたのしゅのいち) 平衆の統率役、総衆之一
南衆之一(みなみのしゅのいち)平衆の次席
北衆之二(きたのしゅのに)
南衆之二(みなみのしゅのに)
中灯(ちゅうどう)      書記役、中灯之一とも
権処世界(ごんしょせかい)  処世界の補佐役
処世界(しょせかい)     雑用役

今年、2016年の練行衆のなかに、先日お話を伺った
上司永照・持宝院住職さんのお名前もあり、
『阿留辺畿夜宇和』の講座の中で
23回目の参籠だとおっしゃっておられましたが、
なんと・・・上から三番目『咒師』をされております。

上司さん曰く、祈りの目的は「風雨順時
つまり
 「人に慎みがあれば春はまた来てくれる。
  季節が季節として巡ってくることの大切さを
  感じられる行にしないといけない


付録)
修二会を英語でFire Festivalは間違いで、
本当の名は、「十一面悔過(けか)」と言い、二月堂のご本尊
「十一面観世音菩薩」に人々に代わって懺悔し、
平和と豊穣を祈りささげる法会です。
その始まりは、実忠和尚の天界の天人たちの行法を見て、
これをぜひ下界に持ち帰りたいと願いに願い、生身の、
温かく鼓動のする観音さまが来られたことからだそうです。
別名の『お水取り』は、川で魚とりに夢中になり遅れて参上した
うっかりな若狭の国の神さまからのお詫びのお水だそうです。

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