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大和文華館の中国・朝鮮絵画展

2018-09-26 16:30:35 | 大和文華館
伺わねばと思っていた「大和文華館の中国・朝鮮絵画」展も、
今月末で会期末、雨の降る日でしたが学芸員の都甲さやかさんの
的確な解説を聞きながら、素晴らしい作品の数々を鑑賞しました。


大和文華館の開館は1960年昭和35年であるが、五代目近鉄社長
種田(おいた)虎雄の意を受けた美術史家で後に初代館長となる
矢代幸雄氏のによる収集は昭和21年からで、作品の観賞価値を
重要視し、特に東洋古美術品を対象としてて収集された780件で
開館し、現在は2000件を超え、通覧できる充実した作品群です。


出陳は47作品で雪中帰牧図(国宝),秋塘図(重文)を含む三部構成
館内に入りましょう。いつもの通り、直ぐに三点が・・・
Ⅰ【山水を描く】
左側に「雪中帰牧図」左幅、南宋、隠し落款はあるが、別筆かも
真中は「雪中帰牧図」右幅、同上、李迪(りてき)の隠し落款
本当に小さな作品で、牧童の手に兎と雉を持ち牛の毛が立体的に
一本一本濃淡をつけて描かれるほど写実的で、凍てついた雪の上を
歩く足音だけが響き、以前の持ち主・益田孝(鈍翁)をして
「なんという寂しいほど静かな天地であろう」と言わしめたほど。
15世紀の室町時代に中国から足利家の所蔵品にその後井伊家に、
なお表装は室町時代のもので、価値があるそうです。
左幅 右幅

右側は「秋塘図」 伝趙令穣筆 北宋時代
目の細かい絹画上に秋の夕暮れを、全景の青の着色から後景の水墨
へと緩やかに変化させ、影もあることで無限の詩情が表されている。
秋塘図

5.文姫帰還図巻、第一拍・越中真景図冊 張宏筆 中国・明時代
文姫帰還図巻

11.太平山水図集 蕭雲従原画 劉栄・湯尚版刻 中国・清時代
13.賞楓図 張風筆 1660年 清時代
描いた紙が素晴らしいとしたためられており、人が一人描かれる。
張風は明の役人だったが、清には仕えず・・・奥からの風が
賞楓図

20.台湾征討図巻 1787-88年 銅版画 

21.煙寺暮鍾図 伝安堅筆 朝鮮・朝鮮王朝時代
中央の山で、視線を二分する。北宋山水を原型とする朝鮮画
煙寺暮鍾図

24.灞橋尋梅図 朝鮮中期
灞橋尋梅図

26.冠岳夕嵐図 鄭敾筆 朝鮮・朝鮮王朝時代

Ⅱ【植物を描く】
27.墨竹図 詹景鳳(センケイホ)筆 中国・明時代
風にしなる竹の枝が


30. 墨菜図 栖巌鳳臣筆 中国・清時代
白菜で高潔な文人を表し、よく見ると虫食いの葉や蝶々も飛ぶ

33.葡萄図 李継祜筆 朝鮮・朝鮮王朝時代
濃淡の墨で実が描かれ、多産の象徴で、全体で龍を表す。
伊藤若冲の葡萄図の元になった。
葡萄図

Ⅲ【人の姿を描く】
37.仕女図巻 伝仇英筆・文徴明詞書 中国・明時代
四季で描かれ、春はブランコ、夏は蓮の池で、秋は満月、冬は
けまりをしている仕女を細かい色で描くも、顔の描き方が均一
仕女図巻

40.聴松図巻 王翬・楊晋筆 1700年 中国・清
聴松図巻

41.閻相師像(えんそうし) 伝郎世寧筆 中国・清時代
大きな額として宮城に掲げられていたそうで、帽子の羽は孔雀
勲章として描かれる


42.美人弾琴図 中国・清時代

44.寿老図 金明国筆、金義信賛 1643年 朝鮮王朝時代
朝鮮通信使で来日した折、即興で描かれ、畳の跡が
寿老図

素晴らしい作品の数々になりますね。
次回は10月6日から11月11日まで
特別展『高麗 建国1100年 金属工芸の輝きと信仰』に

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