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気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

万両、千両、百両、十両、一両、億両も

2016-01-12 12:45:00 | 季節の花々
今朝スマホを開けると、
今日の花は『センリョウ』と。

千両、万両、有り通し」といい、
金運に恵まれるということで
お正月の縁起物として飾られますよね。

すべて冬に赤い実をつけ、、
千両(仙蓼)は、センリョウ科・属のセンリョウで、
千両の実は軽く、上向きに
センリョウ
マンリョウ
万両の実は重く、垂れ下がることで、
名付けられたともされるが、植物学的には違いがあり、
万両はヤブコウジ科・属のマンリョウ、
万両は 兎の眼もち 赤きかな』と 
千代女は詠んでおりますが、
実の赤さは、センリョウの方が鮮やかですね。

有り通しは一両とも呼ばれ、
アカネ科アリドオシ属のアリドオシ(蟻通し)のことで、
短枝の変化した鋭い刺が特徴です。
なかなか園芸店にはなく、里山で見られるそうです。

それから、億両、百両と十両もあり
億両はミヤマシキミ(ツルシキミ)
百両は唐橘(カラタチバナ)
十両は薮柑子(ヤブコウジ)とし、
大伴家持は万葉集で
「この雪の 消残る時に いざ行かな
       山橘の 実の照るも見む」と詠み
山橘を十両(藪柑子)としております。
ヤブコウジ

千両』で、忘れてならないのは
『千両千両』を口癖とされていた
伊那の俳人『井月』(せいげつ)先生
「謝辞、賞賛詞、賀詞、感嘆詞」から
挨拶までも、広く使われており、
大好きなお酒を飲めば「千両!千両!」
上機嫌だったそうです。
よき酒の ある噂なり 冬の梅』 井月

南天の実は三冬で

2015-12-23 17:10:15 | 季節の花々
庭に、紅白それぞれの南天が植わっており、
初夏の頃、同じように白い小花を穂状につけ、
晩秋には、枝先に小粒ですが球形の実がなりました。

南側は陽の光がいっぱいで、たくさんの白い実が房状に

日当りや 南天の実の かん袋」 一茶 

それに反して、
北側の小庭では歯抜けの赤い実が、
日当たりが問題なのか、さみしい限りです。


南天
「難を転じて福となす」ところから縁起の良い木とされ、
お正月には、福寿草と共植えされたり、
鬼門や玄関などでも良く目にします。
江戸時代の『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』には、
「南天を庭に植えれば火災を避けられ、効き目がある」と、
どこの家にも南天が「火災よけ」として植えられるようになり、
さらに「悪魔よけ」として玄関前にも植えられたそうです。
現代の日本にも、色々な習俗として各地に残っておりますね。

南天は実の時期が長いため、
三冬の季語として「南天の実」「実南天」が用いられます。
この三冬とは、初冬・仲冬・晩冬(孟冬・仲冬・季冬)を指し
冬のこの三か月、陰暦では10月・11月・12月が相当し、
太平記に、
潜竜は三冬に蟄して、一陽来復の天を待つ
とあり、昨日は「冬至」で、ブログにふれたように
「一陽来復」、運気が上昇し、よい新年に

南天を 食べに来る鵯(ひよ) 寝正月
               草間時彦
もうこれ以上、赤い実を食べないでくださいね。

迷迭香がけなげに咲いて

2015-12-20 09:14:51 | 季節の花々
今日のお稽古は、お昼からになり、ぽっかり時間が。
この冬一番冷え込んだ朝、陽が差し込んできます。
庭に出てみました。風もなく、陽を浴びると
本当に温かく、庭の野菜たちと日向ぼっこ

太陽は、ありがたいものです。
しかし裏庭の西側は擁壁で、陽が差し込まず、
少しいるだけで、寒くなります。
ここにローズマリーの鉢植えが置かれております。
 
春夏秋冬、葉はいつまでも青々とし、その枝の中に
一輪以上の青紫色の花が見い出され、
『寒き日も ローズマリーの 花淡し』高橋正子
今はこのような風情を感じられますね。

料理の香辛料として使うつもりが、そのまま。
もちろん、香りが強く、茶花としてはNG。

常に香りが強いことから、『万年香』とよばれ、
和名はマンネンコウ⇒マンネンロウ迷迭香

このローズマリーは、地中海沿岸地方原産で
花嫁の髪にこの小枝を挿す習慣があり、
「貞節、愛、思い出」を表しているそうです。

1967年のダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』の
挿入歌として、サイモン&ガーファンクルが歌った
スカボロ・フェアー』、同年代の方は御存じでしょう。
”Are you going to Scarborough Fair?
 Parsley, sage, rosemary and thyme,”
 パセリ、セイジ、ローズマリー、タイム
こんなところにうたわれております。
元はイギリスの伝統的バラードだったのですね。
甘酸っぱくも、懐かしい時代です。

山茱萸(サンシュユ)の赤い実と黒ずんだ実が

2015-12-16 11:25:50 | 季節の花々
剪定された後も、葉がのこっていた山茱萸(サンシュユ)も、
今ではすっかり葉を落とし、寂しげな風情ですが、その中に、
ルビー色の実が、庭の中で鮮やかに彩っております。
よく見ると、鳥たちに食べられることなく、
乾燥して皺より、黒ずんだ実を見つけました。

そして、側には来春に咲く花芽が出ております。
(種を取り乾燥させた果実が、漢方薬の『山茱萸』で
 この音読みが、サンシュユの名前の由来です。)

ふと幹に目が行きました。
”あれ山茱萸の幹って、まるでおじいさんみたい”
不規則な薄片が、皺状になっております。


こんな句が詠まれております。

山茱萸の庭にしはぶき ひびきけり
            植田暁生
お茶事のような静寂なたたずまいの中で、
老人が、大きなせきばらいをしているようですね。

なお奈良は15日から18日まで
春日若宮おん祭り』の行事があります。
この祭りは、春日大社の摂社である若宮神社の例祭で、
国の重要無形民俗文化財に指定されており、
平安末期の1136年に五穀豊穣を祈って始められてて以来、
一度として途切れることなく、守り継がれております。
明日17日正午から、平安から江戸時代に至る時代行列、
「御渡り式」が奈良市街を巡ります。

これに合わせて、明日17日、奈良国立博物館内の八窓庵にて
お茶事があり、手伝いをさせていただきます。
今日は昼から準備です。
いってまいります。

『寒椿』を茶花として使われますか?

2015-12-08 18:32:06 | 季節の花々
日あたりや 蜜柑の畑の 冬椿』 泉 鏡花

庭の寒椿と蜜柑のコラボレーションは、
もうすぐ、見納めです。
遅いぐらいの収穫になりそうで、
この一月間以上、楽しませてくれました。

寒椿 力を入れて 赤を咲く』 正岡子規
   
本当にこのやや淡い赤い色、印象的で、
山茶花によく似ておりますね。

調べてみると、二系統に分類(諸説あり)されており、
主流は矮性を示す寒椿(中国原産)で、
学名は「Camellia hiemalis」、「椿 冬咲き」といい、
種類は少なく、「獅子頭」が有名です。

もう一つは、山茶花の交雑種の「寒椿群」で、
すべて立ち性(椿系)で、通称『立ち寒椿』と言われ、
品種の一つに「勘次郎」があります。ただ、
寒椿の「獅子頭」が「寒椿群」の基にもなっており、さらに
園芸品種の出現で、鑑別にはより複雑になっているそうです。 
学名は「Camellia sasanqua」が示す通り、
「寒椿群」はサザンカとして認知されています。

このように『寒椿』はツバキとサザンカの両種の特徴を
併せ持ち、この鑑別は非常に難しくなっております。
この二系統ともサザンカとして認知する見方もあるため、
あまり、茶花として使わないほうがよいかもしれませんね。

というのも、
サザンカ(山茶花)は「茶」の字が用いられており、
近年は、遠慮して茶席の花に使わないとされています。
でもやもおえない場合は、「山椿」と称すれば良いそうです。

萬年青(オモト)を飾りました。

2015-12-06 18:22:52 | 季節の花々
今朝は自宅稽古日ですが、
お一人こられる予定で、四畳半でのお稽古に、
庭では椿以外の花が寂しくなっており、
さんしゅゆ、白侘助と寒椿を。
 
お待ちしております。

六畳間の稽古場には、一週間前になりますが、
お花をされている方に、「萬年青」を活けていただきました。
お正月までには少し早いのですが、縁起物ですからね。

漢字で萬年青(オモト)は特別な読み方をしますが、
縁起がいい植物とされ、古くから日本で栽培され、
現在は1000種ほどで、珍しいものは高値だそうです。
なぜそんなにも流行ったかといいますと、
一年中緑の葉を茂らせ、緑が絶えないことより、
縁起物として、庭に植えると災難を防ぎ、
家が万年栄えるといわれます。
特に長続きした江戸の徳川家の、
「家臣から献上された3本の万年青を携えて江戸城に入城した」
この故事から、大名の間に流行ったそうです。
江戸中期のブームが明治まで続いており、
福羽美静子爵が歌を詠んでいます。
干代八干代 ふかきみどりの 根岸松 
        さかえめでたき 万年青なりけり
」と
さらには、市井には「引越しおもと」として伝わり、
変じて結婚、出産など祝い事の贈り物としても。

また「オモト」に、赤い実が付いている様子は、
母が子を抱きかかえている様を想像させ、
『母性の愛』つまり、子孫繁栄の象徴とされております。
活けていただいたときはオレンジ色でしたが、
一週間後の今は、やや朱色が増してきております。
一週間後⇒
水の入れ替えを忘れなければ、3月頃まで飾れそうです。

ノイバラ一つで

2015-11-03 15:21:15 | 季節の花々
10月30日朝から最後の風炉、立礼でのお稽古、
終わり次第、新米をいただきに、富山への予定でした。
花を採りに庭へ出てみますと、
椿は、西王母に続き初嵐も盛んに咲いておりますが、
炉開き前なので、使うことはかないません。
 
庭ではアストロメリアがまた咲き始め、
杜鵑、紫式部や吾亦紅が最後の花を咲かせおり、

ツワブキと柊木犀、そして
 
菊は花盛りです。

お床の花は、菊づくしにしてみました。

お稽古においでになり、
竜胆やノイバラなどの花卉をお持ちになられ、
急遽、ノイバラ(野茨)を一本差し入れました。
赤い小さな実が、何とも・・・
この赤く熟した果実は生薬エイジツ(営実)で
峻下薬になるそうです。
 
ノイバラの古名はウマラ(ウバラ)で万葉集に由来し
 ”道の辺の 荊(うまら)の末(うれ)に 
  這ほ豆の からまる君を 離(はか)れか行かむ”

花卉一本で、本当に変わりますね。
良いお稽古となりました。

昼過ぎからの旅立ちで、秋の伊吹山を観ながら
福井県(敦賀)に入ると、フロントガラスに雨が。
白エビなどの富山湾のお刺身にベニヅワイカニ、
これからますます脂がのりおいしくなることでしょう。
短い滞在の富山でしたが、急に雨が降ったりし、
立山連峰も雲の中、北陸の初冬の風情を味わえました。

奈良に戻っても、床の花はまだまだで、
捨てるには、もったいないですね。
炉開きの準備のお床で一枚撮ってみました。

ツワブキで、「着せ綿」を思い出し、明日は寒露

2015-10-07 11:01:00 | 季節の花々
昨日は朝から自分の稽古に。
伺えば、いつも宿題を抱える感じで、嬉しい反面、
帰ってからの復習が、なかなかです。
こんな日常を過ごしておりますが、庭には秋の深まりが。
庭の隅にある「ツワブキ」(石蕗、艶蕗)の株に蕾が、
いつ咲くかなって覘いていると、奥のほうに、
椿に隠れて、伸びた小さなツワブキの株から
小さな花が二輪咲いておりました。
レモンイエローの花は情緒のある秋の花で、
本当に美しいです。
 
今年は梶の葉があまり大きくならず、
葉蓋の扱いのお稽古に、ツワブキの葉を使わせていただきました。
葉は、腎臓形でやや厚く濃緑で、表面には光沢があり、
種により、斑入りのツワブキの葉も、
面白いですね。

葉や茎は料理法により、食用にもなります。
九州では葉は、炒め物や味噌煮にもなり、
茎は「つわぶき佃煮」となり、
広島でも「つわぶきの佃煮」として名産品に。

明日は寒露で、
季節が深まるにつれ、草木にも露がおりますね。

小林一茶は、ツワブキの花に露が降りている様子を
「ちまちまと した海もちぬ 石蕗(つわ)の花」
一茶らしい花への思いやりのある句に。

この「露」で思い出しました。
露と菊香りが浸み込んだ「菊の着せ綿」で、
体を拭いて長寿を願う重陽の節句のことも。
旧暦の重陽の節句(9月9日)は、10月21日(水)で、
菊酒でもいただきましょう。

杜鵑草は

2015-10-06 17:07:18 | 季節の花々
7月の下旬に咲き始めた杜鵑草が、まだ咲いております。
茶花としても、咲く姿が格調高く良い花ですね。

花びらは白色から淡紫色で、内面に紅紫色の斑点があり、
この花は「タイワンホトトギス」の栽培品種でしょうか。
 ←クリックで若葉に斑点が 
11月中旬まで咲くそうです。

一般に「杜鵑草」の斑点は、二つあり、
一つは白地の花びらに紅紫色の斑点で、
ホトトギスの胸の羽毛の模様と似ることから
「杜鵑草・時鳥草」と名付けられております。
もう一つは、若葉にある油じみ様の斑点で、
ユテンソウ(油点草)という別名の元で、
花が咲く頃には消えます。
葉緑素が増え、覆い隠すのかもしれません。
面白いですね。

またホトトギスの仲間の多くは花を上向きにつけますが、
ジョウロウホトトギス類は、半開の黄花を
懸崖状に下向きにつけるそうで、
多くは、絶滅危惧種に指定されております。

特に「山里の貴婦人」と称される
キイジョウロウホトトギス」(紀伊上臈杜鵑草)が、
熊野那智大社で咲きだしたとテレビで紹介されておりました。

また山奥になりますが、和歌山県すさみ町の佐本地域では、
「キイジョウロウホトトギスの里」として保存に熱心で、
10月10日頃に満開を迎えるそうです。
この週末の三連休、絶好の季節ですね。

「王様の食べる野菜」モロヘイヤを

2015-10-05 11:18:41 | 季節の花々
5月の下旬にモロヘイヤの小さな黒い種を、
面倒くさがり屋さんが、ぱらぱらと蒔いておりました。
土をかけることなく、そのままでした。でも
夏を迎える頃には1メートル弱度の若木に。
ほとんど手入れがいらないらしく、
風にも、無論虫にも、・・・無農薬です。
必要時に葉っぱを採り、使っておりましたが、
大きくなり過ぎたので、8月下旬には腰上で、
切り落としておくと、また横から伸び始めて、
お彼岸前には花が咲きはじめました。
一部にはさや状の実が、でき始めております。
(なお実には毒があり、食用禁止!!)
 
開花には日照時間が関係しており、
12時間以下だそうです。本当だ!
季節は秋、
植え替えの時期になり、抜かれてしまいました。

仕方なく、葉のみせっせと採ると
ボール一杯に。
軽く茹でて、刻むと、特有の粘りがでてきますよね。
冷蔵と冷凍に小分けして保存しました。
おしたし、卵焼き、スープに大活躍します。

「モロヘイヤ」は、エジプト生まれで、
アラビア語で、「王様の食べる野菜」の意味になります。
病気の王様が、「モロヘイヤ」入りスープを飲んだら、
特効薬?たちまち、回復されたことに由来します。
しかし庶民も日ごろから食べられているそうです。
日本では、健康志向の高まりにつれ、注目の野菜に。
食物繊維、カロチン、ビタミンB1、B2、C、
カリウム、カルシウム、鉄が豊富、
そして抗酸化作用のあるクエルセチンも。
このように栄養価が非常に高く、納得の命名ですね。

このモロヘイヤの後に、面倒くさがり屋さんは、
月末に、玉ねぎを100本程度植えるらしく、
もう耕し始め、土作りに、珍らしい。
どんな風が吹いてきたのかな。
風といえば、週末の大型台風、気になります。