夏の記憶・はぐれたシャツの残像
昨日の雨に濡れたままの背の低い草を踏んで 立ち入り禁止の鎖をくぐって道の終わると...
テレフォンの下に潜むシステム
よく晴れた空の真下、味の薄いイチゴジャムが詰め込まれたパンを頬張って 昨日電話し忘...
ぐうたらに過ぎるドラマ
それは例えようもない瞬間だった、きみは踊り子のように綺麗なラインを描いて、少し呆然...
オレンジの代価
オレンジの色味に我慢が出来なくなった乞食が、くすねようとしてしくじる市場 捕まえて殴...
だけどたぶん本当はそこには何も無いんだ
澄んだ水のそばに行こう 澄んだ水のそばで 正しいものが身体の中を駆け巡るのを聞こう ...
長い放熱のあとの新しい蝶
ひところの炎が緩やかに偲びながら揺るがないものに形を変えてゆく放熱の午後 ぼんや...
そのあと晴れ間に何を語ろうと俺の知ったことじゃない
そのあと晴れ間に何を語ろうと俺の知ったことじゃない 気が触れるほど雨の音を怖れて、...
汚れた食卓から戦争が始まる
すすけ始めたショート・ケーキと酸っぱくなったブルー・マウンテン・コーヒー 大好きな...
だからといってそれが何かを語ろうとしてるわけじゃない
誰かの指を離れた蝉が雲形定規をなぞるみたいにJRの高架の向こうに飛んで まどろみの...
オーライ、すべてパートタイム!
次第に歪んでゆく感覚のそれぞれに名前をつけて慈しみながら落ちてゆく速度をすべて脳...