goo blog サービス終了のお知らせ 

不定形な文字が空を這う路地裏

Spring Can Really Hang You Up The Most






さようなら、うつくしい雨が消えていく
冬の破片があちこちできらめく街
ささやかに風の模様が刻まれた傘をたたんで
きみはアーケードの中へ姿をくらませた

九十日垂れ流されたクリスマスキャロルが口をつぐんで
ニューイヤーの装いが忙しなくさしだされる
ひとごみはやれやれと
ただそうしてきたからというだけの理由で年の瀬を執行する

おれはときどきそんな街のなかで
信じるものがあったころを思い返す
いまにして思えばそれは
残り時間が暇潰しに描いている希望のようなものだった

もう、そうさ、おれたちは
これからどんな気をつかうこともない
洗濯もののように横たわって
字幕つきの夢を見続けることだって出来る

凍てつくような週末のはじまり
コートのポケットに突っ込んだ両手は
どんなに握りしめてもあたたかくなることはなかった

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「詩」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事