ナイフをしのばせろ、もう、愛こそはすべて、うしなわれてしまった
だれもがおまえを殺そうと目論んでる、もし、少しでもあやしげな素振りを見せたら、先手必勝、迷いなく殺っちまえ、警戒する必要もないほど、ズタズタにしてしまえ、そのほうが死ぬとき綺麗にしてもらえるぜ
ナイフをしのばせろ、おまえを侮辱するものなどに、遠慮してやる理由などないだろう、悪意には悪意しか返事のしようがないことを、目の前の相手に刻み込んでやるがいい、関わるべき相手を間違えたことを、どっぷりと後悔させてやるがいい
刃先は綺麗に研いで、一振りで致命傷なくらいに、短くていい、本当に殺るときに、長さなんてそんなに必要ない、レット・イット・ブリード、血を求めるのが生物の生業じゃないか
殺れ、殺れ、ひと思いに、うすぎたない喉笛を切り裂いてしまえ、そいつは生きていたってろくなことを喋りゃしないぜ、根元からかっ捌いてしまえ
血しぶき浴びて、おれの気分は天国だ、だれ一人容赦しない、殺意をみつけたらあっという間、電光石火、かまいたちのように切り裂いてやる
深く考えたことがないだろう、おまえの頭に飛来するもののことについて、眉間にしわを寄せて考えたことなんかないだろう?おまえは自分を正確だと勘違いしてる、それがなにを成し遂げたこともないのに
コンビニのレジで、工場の片隅で、ショッピングモールで、繁華街のアーケードで、ささやかな自惚れをおまえは振りかざす、おまえだけの王政が、おまえの頭の中だけで繰り広げられる
それが叶うには、実績がなさ過ぎるぜ、それが叶うには、実力がなさ過ぎるぜ、おまえの権威はいつだって蚊の鳴くような声なんだ
ナイフをしのばせろ、うだうだ言うより話は早い、防御の隙もないほどにすっぱりと殺っちまえばいい、ナイフをしのばせろ、いつでも抜き出せるように、大きなポケットのついたジャケットを着て、戦うということを教えてやればいい
戦意は叶えない限りくすぶり続けるのだ、もしもおまえが面倒なことを考えたくないのなら、ナイフをしのばせて慎重に耳を澄ましているべきさ、悪意には悪意でしか返事のしようがないんだと教えてやるために
愛こそはすべてうしなわれた、真似事のようにおっ立っておっぴろげられた結果受精したやつらどもが、理性のかけらもない自意識をそこらで振りかざしている、遺伝子はダビングされ続けたビデオテープの映像のように劣悪な情報だけをさらに劣悪なものに変えながら受け継いでいき、最後に映し出されるのは着色されたノイズでしかない、おれたちはナマモノだ、デジタル信号のように完璧なコピーなんか、けっして、出来っこないんだぜ
さあ、それがおまえの真実だというなら、おれの前でさらしてみなよ、それが悪意であるとしたら、おれはひと息でおまえの喉を搔っ切ってやるぜ、薄汚い声を二度と出せないようにしてやる、さあ、おいでよ、見ず知らずの俺にいったい、どんな関わりがあるというんだい
こそこそとした探り合いなんか願い下げだぜ、イチかバチかで全力でやりあおうぜ、もしもおまえにそんな覚悟があるのなら、おれはいつだってひと思いに振り抜くぜ、アデュー!人生の程度を呪いながらくたばるがいい!おれには生き残るための理由がある!道端の野心になど関わっていられない!
ナイフをしのばせろ、もしも相手に少しでも殺意の片鱗が見えたなら、迷いなく殺っちまえ、ひと思いに搔っ切ってやれ、許してやったら最後だ、乞食のように群がってくる、さあ、準備はできたか?生き残るのは
誰だ?
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