大会録

ホノマラの人々の大会の感想など

第10回小江戸大江戸200k(くの)

2020-03-11 06:28:27 | 小江戸大江戸200k
 ホノマラ23期の久野です。2020年2月22日に行われた第10回小江戸大江戸200kに出場しました。今後出場する人達のためと自分の記憶のために大会録を書きます。
 今年は新型コロナウイルスの影響で軒並み大会が中止決定されるなかでの開催となり、出場できた自分は大変幸運だったと言えます。ただその余波として、大江戸コースのエイド(小伝馬町)を一つ減らしての開催となりました。

【前日まで】
 神宮24時間にエントリーし損ねたことが出場を決めた理由。尊敬するウルトラの先輩たちも出場した大会であり、実績あるこのコースで200km超ランナーとなることを、マラソン人生の節目としようと思った。エントリー開始は10/24(木)21:00〜で、200kmはクリック合戦だった。

【前日】
 昼食を食べ、13時には就寝し、翌朝4時に起床。18時に夕食を食べるために一度起きた。終始熟睡することはなかったが、身体を休めるという意味で十分すぎる休息が取れた。

【8:04川越スタート地点0km発】
 6:30ごろ会場に到着。7:20ごろになるとトイレが混み出したので、早めに着いて済ませておいてよかった。
 持ち物は、地図、ルート案内の紙、背面ライト(参加賞袋に入っていた)、クレカ、現金(1500円)、スマホ、胃薬、カロリーメイト数本、500mmペットボトル、リストバンド(各エイドで計測機にタッチする)
 服装は、上下タイツにtシャツ短パン、軽めのウィンブレ、帽子、グローブ
※小江戸コースの終盤は暗くなる可能性が高いので、前方ライトも携帯することをお勧めする。

【10:33吉見エイド21.2km着】
 川越の美しい街並みが終わると、特に何もない埼玉の田舎道。応援してくれる市民がはなわの「埼玉県のうた」を流していた。早くも携帯食を食べつつ、のんびり進む。ond,miumiu,gtndがレンタカーで遥々応援に来てくれていた。

【11:51手島エイド32.7km着】
 20kmを過ぎてから川沿いを走る。12時間以上寝たせいか、いつもの100kmより頭が冴えている。睡眠時間で結構変わるものだなと実感。
 周りのベテランランナー同士の会話を盗み聞きすることでトイレの位置を把握。結構参考になった。エイドでランナーにこっそりビールを渡す殿様コスのおじさん(ランナーではない)がいた。まさに悪徳商人と悪代官を彷彿とさせる画だった。

【14:06浄恩寺エイド51.8km着】
 割と脚も軽い。エイドから少し進んだファミマでまた3人と会う。この時期レンタカーは感染リスクが高いとかなんとか話す。飲み物を購入。
 またなんもない川沿いを走る。エイドの数は少ないとはいえ、一つ一つが凝っているので、それを楽しみに走るのがいいと思う。
 やっと川を抜け折り返し。待ちに待ったエイドは、フルーツサンドにタピオカミルクティーとバラエティー豊富。

【16:45唐子エイド72.0km着】
 コースにアップダウンが出てきて、少し疲労を感じる。飲み物が切れたので、途中のコンビニで水分補給。
 国道254号を逸れると、エイドへはあと少し。マッサージ予約のためダッシュを始めるおじさんがいた。エイドではある程度ちゃんとした食事が欲しかったのでうどんを食べる。プリンは女性ランナー限定らしい。気づくとslackの小江戸大江戸応援チャンネルの人が増えたり応援メッセージをもらっていたり、結構盛り上がっていて勇気づけられる。

【19:23川越エイド91.3km着】
 ランナーがまばらになって来て、前のランナーを見失いそうになりヒヤヒヤする場面があった。スマホの電源は切ったままだったので、コースを確認する手間はかけたくなかった。
 国道沿いに戻り、ひたすら道なり。暗くなって来て前方ライトを持ってくるべきだったと思う。90km11時間半だと、普通の100kmだと制限時間ギリギリだな、100kmの制限時間って意外にきついんじゃないか?とか考える。颯爽と飛ばしていくベテラン2人について行こうとするも置いていかれる。脚は疲労しているが、まだ気持ちに余裕がある。
 市街地に入り、初参加だという若者と並走。コースが不安そうだったので自分もスマホの電源を入れ、ルートラボでコースを確認する。
 小江戸コースゴール、仕事終わりのレジェンドがいた。
 カバンにウィンブレの下と、ダウンジャケット、カロリーメイト、充電器とコードを追加し、前方ライトを装着して走り出す。大江戸コーススタート。

【01:48成願寺エイド128.0km着】
 今大会4回目だという女性に道を聞かれる。仙台から来ているとのことで、小江戸大江戸の知名度が推し量られる。
 100kmを超えてから足が痛み始める。歩いてる間食料をほとんど消費する。104kmくらいのローソンのイートインで休憩。下着を着替え、ウィンブレ上下とダウンジャケットという服装に変える。そこから6km先のコンビニを目標に走る作戦に切り替える。せっかくたどり着いたコンビニが道の反対側で萎える。ここら辺でレジェンドの応援。足の痛みが大きくなり、走ったり歩いたりを繰り返す。力を振り絞って和光市のコンビニまで走るが、イートインが無くて地面にうずくまる。東京に入り外灯も明るくなったので前方ライトをしまう。
 成増付近でレジェンドとコケナオさんと弟くん(テレビ電話)の応援。北池袋までは頑張ろうと走り出す。
 北池袋前の右折地点、自転車に乗ったskrgを呼び止める。下落合くらいまでついて来てくれた。別れた途端、糸が切れたように走れなくなり、無理して走った反動で痛みが限界に達した。3kmが地獄の様に長く感じた。
 エイドでレジェンドとポンタさんが待っていた。階段を降りて椅子に座る。立ちあがりたくない。机にうつ伏せになる。もう無理そう。本郷で待ってる人がいるらしいから、そこまで歩いてから辞めようかな、と考える。意を決して外に出ると、2人が心配そうな顔をしていた。本当に回復するのか、半信半疑のまま足を引きずるように進み始める。

【05:50小伝馬町146.2km着】
 走れないので早歩き作戦。都庁を過ぎる。歩いてても痛い。眠気が来る。神宮外縁を周りながら、寝られそうな場所を探す。本気で寝ようか迷ったがやめる。
 走れているランナーにどんどん抜かれる。青山一丁目、六本木をすぎて東京タワー。私設おしるこエイドがあった。財務省を左折して国会議事堂、皇居までの下り坂が足に堪える。
 皇居まで来た時、気まぐれに北の丸公園のCPまで走ってみようと思い立つ。足は痛いがなぜか走れた(!)
 竹橋あたりで、再び経験者2人が待っていた。まだタイム的に悪くないことを聞いて気持ちが少し晴れる。チョコレートをもらって走り出す。
 三越前でファミマのトイレを使わせてもらう。小伝馬町に着くともう空が白み始めていた。にもかかわらず前方ライトをつけていないことを注意されて、しばらく根に持つ。エイドはなくリストバンドのタッチだけ。

【07:42おしなりエイド157.9km着】
 足が痛みに慣れたのだろうか、2時間半歩く間に回復したのか不明だがとにかく走れたので飛ばす。築地のあたりで自転車のレジェンドとすれ違う。陽が登り眠気も覚める。かちどき橋を過ぎ、もんじゃロード。ベンチで寝ているランナーを横目に缶コーヒー休憩。
 大江戸線沿をひたすら北上、錦糸町を左折するとスカイツリーが見える。小さい交差点で何度も止まらされるが焦らず進む。エイドにレジェンドとはっしーさん。ダウンジャケットを脱いで上下ウィンブレという格好になる。

【11:57高島平エイド180.2km着】
 浅草寺を過ぎて最終CPの鳥越神社へ。途中ファミマのトイレに寄る。赤門に何人か待っているの申し訳なく思う。
 本郷、駒込、王子でホノマラーの応援。こんな朝早くから大変ありがたい。赤門からついて来ていたskrgとも別れ、また一人旅。
 赤羽の団地の私設エイドでなめこ汁をもらう。冷たいものは腸が受けつけなくなっていたのでベストタイミングだった。
 魔法がとけ始め痛みが再燃。騙し騙し走ろうとするが痛い。歩きながら、信号で止まった時それを補う分走るだけ。とぼとぼ歩いているとどこからともなくakmtさん登場。

【14:08秋ヶ瀬エイド191.7km着】
 8時間で26kmなら歩いていけるなとも思ったが、念のため走れそうな時は走った。
 河川敷の階段を登って降りて、荒川に出る。ひたすら向かい風。どうして走れなくなった人間にこんな仕打ちをするのだろうか、こんなことして誰が喜ぶというのか、と切ない気持ちになる。
 曲がるたびにそろそろ終わるかなと思うが、終わらない。エイドまで残り3kmだという私設エイドでチョコバーをもらう。エイドの人とランナーは知り合いが多いようだ。もちろん私のようなビギナーにも優しくしてくれるのでありがたい。
 とにかく止まらずに歩き続けた結果、川道の終わりを告げる最終エイドが見える。最後だけ身体が飛ばされそうな向かい風の中を走る。エイドのテントが風で飛びそうになっていた。ここにエイドを作ること、いや、ここをコースにすること自体ミスだと心から思う。
 レジェンドとakmtさんにダウンジャケットを託し、身軽になってラストスパート。

【16:41川越ゴール地点206.0km着】
 バイパス沿いを川越に目指して進む。制限時間内のゴールは確信できたが、歩き倒すにしては長すぎる。全然進まないので歩くのに飽きた時だけ走った。
 ひたすら真っ直ぐでつまらない。音楽を聴こうかと思ったが、イヤホンを持っていなかった。同じことを考えたのか、音楽をガンガンに鳴らしながら走る大江戸コースのランナーと少し並走。五月蠅い。
 230kmの折り返しの選手何人かとすれ違った。せっかく川越に戻れたのにまた帰ってくるとは御主ら正気でないなと思いながら、羨望の眼差しとエールを送る。
 ルートラボをみるとまだ残り7km、全然進んでないと絶望。私設エイドでビールをもらった直後、レジェンドとakmtさんにあと4kmしかないことを教えられる。ルートラボのバグだったらしい。
 アルコールかアドレナリンのせいかわからないが痛みがひき、一気にスパートをかける。交差点を左折、川越の美しい街並みを駆け抜ける。前を走っていた例の音楽垂れ流しランナーをかわし、連雀町の交差点を右折。レジェンドとakmtさんが慌てて走ってくるのが見えた。ついに蓮馨寺の鳥居をくぐり、フィニッシュ。32:36‘49でゴール。

【振り返り】
 110kmしか連続で走ったことのなかった自分が、真面目に完走を諦めた瞬間はあったもののその倍近くの距離を進み続けられたことは自分でも驚きだった。1月にUTMB企画(東大→前橋)を走って以来ほとんど練習しておらず不安だったが、完走できるだけの走力は備わっていたと言うことだろう。「大会では練習で走れた2倍の距離走れる」は、距離の目あすとして正しいかもしれない。また十分な休息をとった上でレースに臨めたことも、完走できた大きな要因だろう。
 さらに今までもウルトラで精神面の回復を体験したことはあったが、(脚ではなく)足の回復をここまで感じることができたのは初めての体験だった。足を鍛える練習を積んでいなかった私のようなランナーには、100kmを超え足が潰れてから歩いて回復を待ちまた走る、という走り方をする他なかっただろう。
 という訳で、今回のレースで足がダメになったとしても200km完走できることが分かったのだが、言うまでもなく、諦めそうな時に(実際一度諦めたが)進まなければと思えたのは応援してくれる人たちの存在があったからだ。コースで応援してくれたり、メッセージをくれたホノマラーの皆さん、とりわけ大江戸コース以降終始サポートについてくれたレジェンドに、心から感謝をしたい。ありがとうございました。


以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿