大会録

ホノマラの人々の大会の感想など

第1回日光マウンテンランニング(はまちゃん)

2016-11-28 15:23:20 | 日光マウンテンランニ...
5年の濵田です。
100kmの流れ(?)ですがトレイルをぶち込みます 笑

昨年の熊野古道トレイルに続き、

どうしてもまた世界遺産のトレイルを走りたい!

という思いから参加してました、日光マウンテンランニング。



基本情報はこんな感じです。

大会概要
・日時:2016年11月13日(日)
・距離:約32km
・累積標高:1886m
・制限時間:9時間
・場所:日光国立公園および世界遺産の二社一寺周辺山域

今年が第1回大会ですが、日本のスカイランナー第一人者の松本大さんが運営に関わっているとのことで、ふたを開けてみるとこれ以上ないほど素晴らしい大会でした。レース終了から月日は経ちましたがその感動は色褪せないばかりか増す一方なので、以下にその感想を記すこととします。



目次は以下のようになってますが、レースの感想はどうしてもグダグダなりがちなので、§2 あたりから適当に読み飛ばすのがオススメです。

【目次】
§0 練習と事前準備
§1 レース
§2 11の魅力と2つの課題
§3 まとめ
§4 まとめのまとめ

§0 練習と事前準備
月間走行距離はあまり真面目に記録は取っていないですが、だいたい月150K弱。
長い距離はえちご100K。トレイルは9月末のSTYの途中打ち切りと、たまに家の近くでちょこっと野山を走る程度で、本格的な山はなし。
レース1週間ほど前にシューズを新調しました。



以前のBROOKS PURE GRIT 4 からsalomonのspeed cross 3にしました。最新モデルはSpeed Cross 4ですが、ぶっちゃけほぼ変わらないとの店の人の談。定価の6割ほどで購入しました。各所で好評を得ているモデルとのことでほぼ不安はなかったのですが、
”これぞトレイル向け”
って感じのシューズでグリップ力は最高。ロードでの走りやすさは他のシューズに劣る部分もありますが、急斜面での安心感と走りやすさは抜群でした。
若干ロードよりの前回のシューズと趣を変えたかったので、その点では良い選択となりました。
直前に新調するのは一般的にはよくないとされていますが、とっておきのデートの前に新しい服を着たくなるものでしょう?失敗することもあるとは思いますがそのあたりは自己責任で(適当)

§1 レース

※諸事情によりコース地図は削除しました



スタート〜A1(8.0km)<42位>
前半は比較的抑える(気持ちで入る)のはいつも通り。
ただ、
”今までレースで経験したことのない鮮やかさに圧倒”
されてペースを抑えるのに苦労します。
いや、だってこんな景色見たら誰だってテンション上がるでしょう?


(スタート会場が絵になります)



(スタート前こんなにみんな笑顔の大会も珍しい)

スタート後は登り基調ですが、その後急な下りで滑落し肋骨を折っている怪我人が。何人かのレース参加者が救護に当たっていました。自分より前にいるのだから結構速い人たちです。救護を必要とする怪我人に初めて遭遇しましたが、今後レースに参加するにあたって救護の知識等も身につけていきたいなと感じながら進みました。

※尚、救護にあたっていた方は途中で復帰したようで、猛スピードで抜かされました。結局8位になったそうです。救護をしつつその後素晴らしい順位を獲得された眞舩さん、尊敬いたします。

A1〜A2(12.0km) 大山付近1:50:47 <38位>
A1エイドは以前親友たちと宿泊した大江戸温泉の直ぐ近く。懐かしさを感じながらエイドに入ります。
標高が高くなるこの辺りから、色とりどりの紅葉は、冬の足音が近づいた高原へと姿を変えていきます。
ただこの日は雲ひとつない青空。

“コース上どこを走っても気持ちいい。”

こう感じられるレースはトレイル大国の日本といえどもなかなかないのではないでしょうか。



A2〜A3’(15.0km) 霜降高原往路 2:29:37<55位>
比較的快適に進んでいましたが、A2付近で早くも足のつりを感じ、A2でゆっくり休むことに。おそらく約3分の休憩ですが、後ろが詰まっており、そこで15人程度に抜かれたようです。
(38位通過の自分が1:50:46で3分休憩だと52位の人の1:53:32あたりまで抜かれてる計算になります。)
直後のくだり等も含め、完全につった訳ではないものの快適には走れない状況が続きます。

A3’〜A3(18.0km)霜降高原復路<59位>
この区間3km設定なのかーいw ただ、実際GPSの記録等を確認しても、4kmはないようです。
1350mから1700mまで1400段の階段で一気に上り(後半はトレイルもあり)、一気に下がる今回のトレイルのメインディッシュ



ただ、ここでもA3’到着時に足完全につってしまいしばらく休憩。
攣っている時に焦っても仕方ないので、
エイドでは日光特産の湯葉、羊羹、オレンジ等をタイムを気にせずじっくり堪能^o^
新発売のポカリスエットゼリーも美味しかったです。
その後も楽しみにしていた1400段の階段を前にして攣ったため、前半は適宜休憩しながらの歩き。後半は攣りも治ってきて止まらずに歩いて登れるようになってきました。

登りの際中はやたらドローンが飛んでたのが印象的。
主にNHK等が取材していたようです。さすがNHKの取材力。
実際のドローンでの様子はこちらからどうぞ!

NHK World
大嶋さんによる大会動画

その後は若干テクニカルだが、走行可能な下りに入ります。
”少し怖いけど、ギリギリ走れる”
くらいがトレイル走ってて一番面白いです。この地点では前後に下りを得意としてそうな人が多かったことから結構ヒャッハーしました。

A3〜ゴール(30.0km)<60位>
※32.0kmともいわれており、諸説あり。

区間の前半はこの大会のために整備してくれた急でストレートのダウンヒルや、ふかふかで緩やかに下る気持ちいいトレイル。走りやすすぎてもはや困った。熊野古道トレイルの前半みたいな走りやすいふかふかなトレイルは、気持ち良すぎて爆走しました 笑


(写真は急なダウンヒル。ここは脚への負荷覚悟でまっすぐ爆走するか、負荷軽減でジグザグで行くかランナーにより作戦が変わってきて面白いところでもあります。)

区間の中盤は大江戸温泉に戻ってきて、一部だけ行きと同じコースを戻る。区間の前半走れすぎて、またもや攣りに苦労。
後半の林道・ロードに入ってからは回復してきたので、あり余っている体力を使い、最高4:05/kmくらいまでペースをあげ、一人抜かしてゴール。
楽しくてあっという間の32kmでした。

タイムは4:56:40の総合60位。(男子57位)
途中から目標にした5時間以内にはまとめきったものの、全体としてはなんとか4時間30分前後で走りたかったレースではありました。
いつもだいたい目標の目安にしている女子3位の方が4:47だったので、その方には勝ちたかったのが本音です。

§2 12の魅力と2つの課題
12の魅力
”全て”と言ってしまってもいいんですが、楽しさを構成している要素が12個ほどあると感じたので列挙してみます。

①メンバー
2年生のななちゃんと4年生のゆうちゃんと参加。トレイル好きな人が集まってすごく楽しい大会でした。前日当日の観光もサイコーに楽しかった。2人ともありがとー!

②絶景
“紅葉の美しい日光を自由に駆け巡る。”
これ以上に贅沢な遊びを自分は知らない。

③秋晴れ
“日光の空にはもともと雲なんてないんじゃないか”
と勘違いするほど清々しい青空。
最近大会が雨に見舞われることも多かったが、「初大会から10大会連続雨なし」だった頃の自分の晴れ男っぷりを取り戻した感があり、頼もしい限りだった。(←何目線)

④エイド
自分は特産品のエイドに目がない。
日光といえば湯葉。ちなみに湯葉と湯波の違いはご存知ですか。
知らない人はggrks
日光では正式には
”湯波”
だそうです。

⑤協賛企業
魅力的な協賛企業が多かったのも特徴的だったように思います。
今回はCASIOさん協賛のスポーツカメラを利用(貸出はもちろん無料。おまけに豪華商品が当たる抽選付き)して、楽しさを丸ごと記録させていただきました。#fr100
またホノマラー3人とも無料でテーピングもしていただいた。3週連続トレイル出場のお方は、テーピングしてもらったのに足が痛くなったと文句を言っていましたが、
「それはオーバーペースだったね」
と華麗にかわされていました。
陸上アイテムを売る側は、効果がなければ常に「オーバーペースだったね」と言い訳できるのでずるい。とはいえ、トレイル界では若い自分たちを面白がってくれたようで、仲良くしていただきました。協賛感謝してます!
他にも、salomonをはじめとする、ここに書ききれないほどの協賛があって、シューズ無料で試走できたり、地元名産の揚げ湯波まんじゅうも店出していたり、といった充実ぶりでした。

⑥魅力的すぎる”裏側”
大会開始前からFB等で魅力的な告知や大会の裏側のちょい見せをされていて、期待感が高まる演出でした。4100m累積標高があるとかいう、某N沢温泉トレイルとかとは大違いでございました。
(N沢温泉トレイルを批判する意図は毛頭ないことをここに記しておきます。すごくいい大会でしたよ 笑)

⑦メディア掲載
魅力的なHP、大会側のHP、写真家と協力した写真とMovie、地元の観光メディアでの宣伝、などwebメディアを中心とする露出が魅力的かつ豊富でした。

⑧たくさんの”日光ならでは”

・エイドでの湯波
・神社の方の笛によるスタート演出と途中の応援。
・ゴール後は大盛りの日光そばを無料で堪能。
・神社の石段を駆け上り、鳥居をくぐってゴール
・日光出身の美人書道家による大会ロゴ、スタート前書道パフォーマンス
日光の木材を利用した入賞盾
など。
”ならでは”
の魅力を詰め込んだ本当に魅力的な作品でした。

⑨ライトアップ日光
日光マウンテンランニングが行われる土日は、ちょうどライトアップ日光が行わている期間中。
普段見ることのできない五重の塔のライトアップや逍遥園の紅葉ライトアップ。
前日夜だけでもお腹いっぱいでした。





⑩宿
シーズン真っ只中の観光地日光にあって、東照宮まで徒歩数分という立地を考えるととてもリーズナブル。宿の方の対応も荷物を預かってくださるなど丁寧でした。

⑪階段
天空回廊と呼ばれるキスゲ平の階段。
一般的なトレイルランナーには嫌われがちな階段であるが、普段手軽に負荷をかけられるメリットから階段練習を多くしてることもあって、自分は割と階段好きになりました。
さすがにアベノハルカス登るような大会に出たいとは思わないけども 笑

⑫温泉
マラソン後の温泉は優勝。

課題
ほぼないのですが、第1回ということもあり今後の大会運営にも関わる話題などを。

①制限時間と必携品
「できるだけ多くの人に楽しんでもらいたい」との思いでの長い制限時間(9時間)と制限時間を考慮しての必携品(ライト等)であった趣旨はすごーく理解できます。第1回大会であったし、その判断に関して批判するつもりはないです。
ただ、32Kという距離を考えた時にライトまで必携品にすべきかどうかは議論の余地があるところではないでしょうか。
私の意見としては制限時間を7.5時間(15時30分)にし、ライト、レインパンツ等を必携品と定めなくても良いのではないかと考えています。また、出発時間を30分早める等して15時制限時間でも良いもしれないです。
7.5時間の制限時間は他のトレイルランニングの大会を見ても比較的長い部類に入りますし、それでも十分多くの人に楽しんでもらえるのではないでしょうか。短いコースも設定することにより初心者のニーズに応えるといった方法も有用でしょう。必携品を多くしすぎないことにより、参加者の裾野が広がったり、ルール違反の人が減って健全な大会運営が可能になったりするというメリットと、山を走る際のリスクマネジメントのバランスを考えていくことが大事だと思います。

②脚攣り
これは完全に個人の反省ですが。32kmだからと言ってなめたらいけないということでした。なめてた訳ではないですが、前日の睡眠時間や体調管理、事前の漢方服用含めて万全の準備とはいえなかったことが今回の失敗の一因とも言えるでしょう。また、前半の登りの歩きでストライドを小さくして脚への負担を軽減することも一つの対策と言えるかもしれないので、次回への課題としたいです。

§3 まとめ

走ることを愛する全人類にオススメしたい大会。

ただ、トレイルの32kmは決して短い距離ではないので、練習or大会で15km以上のトレイルを経験、もしくはフルでサブ4.5位の走力はないとちょっと厳しいかもしれません。
来年以降参加する人は宿には注意。シーズンの観光地のためリーズナブルな宿はすぐ埋まります!参加するかはおいといてとりあえず宿だけ確保するのもありだと思います。

これを読んで山にちょっと興味持った人、是非一緒に山に行きましょう。
練習でも大会でも大歓迎です。初めてでも経験者でも全然OKです。
そういえば年末にトレイルの申し子、こと松田さんが高尾かどっかでトレイル走りに行きたいね、と言っていました。

§4 まとめのまとめ
日光トレイル、楽しすぎてその後の日々が辛いです。