『宿場町を歩く』その23。千住宿④、北千住駅前通りと旧街道の交差点まで戻り、左に曲がる。
宿場通り商店街に入りすぐを左に曲がるとこの辺りが千住宿本陣跡であったことを示す案内板と石碑がある。
千住宿は奥州街道(日光道中)、水戸街道の始点として大変賑わったと言われ、幕末には2400軒、1万人の人がいたと思われる。参勤交代でも64の大名が千住宿を往来していた。
商店街には今だに昔からの建物が残されているだけではなく、商店自体も活気がある。
少し歩くと『千住 街の宿』と名付けられた案内所があり、千住宿の宿場印を購入、ガイドマップも頂く。
かなり古いピルや取り壊し予定の果物屋さんなどが並ぶ。前回通った時には婦人服が並んでいた店が閉じているのが気になった。
(2018年)
その先には高札場を復活させた公園(本町公園)があり、当時のイメージを醸し出していた。
横山家は最も有名な古民家、中には入れないが、堂々とした風格を感じる建物である。元々は1860年に造られた紙漉き問屋の建物であり、千住宿プチテラスにある内蔵はここから移築したもの。
その向かいあたりには吉田絵馬屋、何回か前を通ってはいるが、今まで営業しているところは見たことがない。ただ、絵馬屋自体が極めて珍しく、思わず中を覗き込んでしまう。
数軒営業していない店が続くが、よく見るとシャッターには千住宿の風景が描かれ、それがつながっている。
槍かけ団子は今も健在、店は完全に建て替えられて残念だが、団子は美味い。『槍かけ』とは近くにある青亮寺に水戸黄門由来の『槍を立てかける枝ぶりのいい松』があったことに由来している。昔の店舗は本当に風情のある店舗であった。
(旧店舗)
旧板倉家住宅は昭和13年に造られた洋館付き和風住宅だが、今年国登録有形文化財に指定されている。今は内部はリノベーションされ、和食板垣として営業している。
北千住駅という大ターミナル駅から歩いて5分で到着するところにこれだけの昔を偲べる建物が並んでいること自体大したものである。すっかり街道に魅せられてしまった。