
春分から15日が過ぎていて4月4日は『晴明』である。晴明(せいめい)とは万物が清らかに生き生きとした様子を表した『清浄明潔』という言葉を訳した季語であり、花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く時期である。

さらに詳しい七十二侯では『玄鳥至(つばめきたる、〜4月8日)』『鴻雁北(こうがんかえる、〜4月13日)』『虹始見(にじはじめてあらわる、〜4月19日)』となる。

燕は渡り鳥のため、2021年以前は気象庁が生物季節観測と言って天気予報の一環で情報を観測していたが、今は梅、桜、アジサイの開花の3項目のみに絞ったため、民間の調査しかない。少し古いデータによると燕の初飛来時期は平年は3月28日、2015〜2020年のデータでも最も早くて3月23日、遅くて4月4日だからほぼ七十二侯に合致している。ちなみに久我山駅にはかつては毎年燕が巣を作っていたが、今はあまり見なくなった。




久我山を散歩すると、今はソメイヨシノは満開、他の桜は咲いているか、早咲きのサトザクラやヒカンザクラなどは咲き終えた。花見に行った時に周りをよく見るとレンギョウやボケ、ドウダンツツジ、モクレンなど木に咲く花も数多く咲いている。



コブシ(辛夷)やハクモクレンといった花びらの大きな花は迫力がある。また、モモやボケのように源平咲きをする木もあり、白い花と赤い花が同じ枝から出ているのも珍しい。虫が増えてくると虫媒花や鳥媒花は一斉に花を付けるらしい。



花の咲く木ばかりではなく、もみじや欅なども木も新芽が膨らみ、それが黄緑色の葉になって夏の濃いグリーンの木とは違い、この時期は美しくみえる。


それとともにチューリップやパンジー、クロッカス、ヒヤシンスのように花壇やプランターに植え込んである花が増えてきた。



花見で座っていたら、すぐ横にかつて植えられたと思われるムスカリが野生にもどったのだろうか、一本だけが紫色の花を付けていた。


雑草扱いされてはいるが、ナガミヒナゲシのオレンジの花や小さな花を付けたスミレなども健気に頑張っていた。

久我山ではツツジ(躑躅)、バラ(薔薇)、ハナミズキ(花水木)などが咲き始めるが、気がつくともうGWとなってしまうのである。