『metroに乗って』その14。今回は東京メトロ入谷駅辺りを歩く。下谷駅は昭和通り(国道4号線)と言問通りの交差点あたりにある。
下谷側に出て、言問通りを渡り右手に行くと朝顔市で有名な真源寺の前に出る。
寺の名前よりも入谷鬼子母神の方が通りが良く、大田南畝(蜀山人)の『恐れ入りやの鬼子母神』の狂歌で知られる。他にも『びっくり下谷の広徳寺』『情け有馬の水天宮』『なんだ神田の大明神』などがあるらしい。
朝顔市は当たり前だが、夏の風物詩で今は閑散としている。ただ、下谷七福神の福禄寿を祀っており、お正月は人が寄せるであろうが。境内には畳針の供養碑などもある。
驚いたのは境内にあった地図、目印に富士銀行、あさひ銀行が載っていたが、両方とも高層マンションになっており、第百生命も企業自体がなくなっており、この地図を頼りにした人はびっくりするだろう。
次の交差点を左折し、しばらく歩くと大黒天を祀る英信寺の前を通る。その先を右折すると小野照崎神社の前に到着。小野篁を主祭神とし、その起源は852年で今の地には江戸時代寛永年間に移ってきたもの。中々立派な社殿があり、お参りに来る人も多い。
参拝のあと鷲神社(おおとりじんじゃ)を目指す。金美館通りを行くと両側にはアーケードがあるが、中々見応えのある店が続く。米屋、お茶屋、傘屋など懐かしい店が沢山あり、床屋も40年代のテイスト。酒屋に至っては3階建、いやこの辺りを歩くだけで素晴らしい。
国際通りまで15分程度、向かいに渡り、左手に行くと直ぐに鷲神社。入口には大きな熊手が飾られ、先月の賑わいを思い出させる。正月飾りもなされているが、まだ、参拝はパラパラ。
それにして入谷駅はザ・下町、昔ながらの看板建築、特に緑青の浮き出た家も多く、落語家の名人が玄関をくぐりそうな家も多数、街歩きにはもってこいの街である。