鉄道シリーズ その84。都電はかつては東京の中心部を網の目のように41系統あり、便利な存在であったが、今は都営荒川線の1系統を残すのみである。
しかし、その荒川線も自治体が運営していたわけではなく、元々は王子電車と呼ばれた別の会社(正式には王子電気軌道)が経営していたが、戦時下の企業統合の中で1942年に都交通局に引き継がれたもの。
また、今は1系統になっているが、赤羽~王子駅前~三ノ輪橋(当時は三輪橋)が27系統、荒川車庫前~早稲田が32系統で赤羽~王子駅前が廃止、残りを繋げて1974年10月に今の形になった。
いつもは早稲田~大塚駅前~王子駅前をよく利用するが、今回は町屋駅前~三ノ輪橋を乗ってみた。町屋駅前を出ると緩く右にカーブして少し高いところを走る。少し行くと荒川7丁目の電停、三河島水再生センターや荒川自然公園のすぐ横に出る。
さらに荒川市役所前、荒川一中前を通り、三ノ輪橋にものの10分足らずで到着。
三ノ輪橋は地下鉄日比谷線三ノ輪駅や常磐線南千住駅からも近い。駅前には珈琲館があっていい香りが漂う。終着で降りると車両は真っ直ぐ行き反対のホームに着く。運転手が反対側に移り、すぐ早稲田行きになる。
気になるのは中高年が何故かうろうろ。それもそのはず、山谷地区からも近い。まっすぐ行くと丁度ビルの中をトンネルのように通り、その先には国道4号線がある。その抜けた今は写真館になっている建物が旧王電ビル、とても昭和初期の建物とは思えないモダンな造り。
たまに都電もいいが、山の手から下町まで色々な風景がある。また、今回訪れたところにはバラがたくさん植えられ印象的だった。