鉄道シリーズ その87。鶴見線(2)国道駅で15分待ち、次の海芝浦行きを待つ。
ところで鶴見線は元々私鉄だが、駅名がなかなか趣きがある。もちろん、国道15号線上にホームがあるから国道駅というのもいいが、偉大な企業人の名前がこれほど多く駅名になっている線はない。国道、鶴見小野の次の『浅野』駅は浅野総一郎(浅野セメント総帥)、『安善』駅は安田善次郎(芙蓉グループ総帥)、『武蔵白石』駅の白石は白石元二郎(日本鋼管創始者)、『大川』駅は大川平三郎(日本初の製紙技師で数々の製紙会社を興した製紙王)に因む駅名と中々これだけは揃わない。
国道駅を出ると直ぐに鶴見小野駅に到着、木造の古い駅がなかなか味わいあり。さらに浅野駅も同じように古い。
浅野駅は三角の形をしており、1・2番線は鶴見線本線、3・4番線は海芝浦支線のホームである。なぜか3・4番ホームはとても広い。
その先は進行方向左手に曲がり、すぐに海に繋がる運河が見えてくるが、急にスピードも落ちる。
新芝浦駅のホームは両側、特に運河側は狭く、目の前はすぐに運河。さらにスピードは遅くなり、ちょうど埋立地に沿いながら電車は走る。右に緩くカーブをするとすぐに海芝浦駅に到着する。
海芝浦駅は中々特異な駅である。鉄道マニアの間では有名な駅。東芝の事業所の中にあり、駅には自動改札機はないが、事業所の自動改札が駅の出口に設置してあり、東芝関係者しか下車できない。
我々部外者はというと海岸沿いにある海芝公園という箱庭しか入る場所がない。もちろん11時11分に着いて、11時25分に発車する電車に乗らないと2時間電車がないのだから選択肢はもときた電車に乗るしかないのだが。
しかし、目の前に海(正式には京浜運河)が広がり、大黒ふ頭に繋がる高速道路湾岸線がすぐ前を走る風景は中々雄大で、この景色を東京から1時間かからず見れる場所はなかなかない。休日には鉄道マニアが集まるのも分かる気がした。
小生は折り返しの電車に乗って鶴見まで。
本当は浜川崎や大川にも行きたかったが、次の訪問の楽しみに取っておくことにした。