みぞおちに掌底(しょうてい)を喰らった。
詳しい状況説明は控えるが、まあ、平和的なコミュニケーションの中で生じた出来事であるとだけ言っておく。もちろん故意でもない。
でもこれが見事に決まった。
みぞおちのいちばん深いところに。
しかも両掌。両手を突き出した人は、これまた姿勢のよい方で(ガタイもデカい)、肩にも力が入りすぎておらず、適度にヒジも伸びていた。位置エネルギーをほぼ完全に運動エネルギーに乗せかえる理想的な打ち方。中国拳法で言うところの「勁(kei)」そのもの。
こういう打ち方されると内臓の奥まで衝撃が来るんだよねぇ。
しばらく息が詰まって、血の気が引いていくのがわかった。
内臓が騒ぐ。ものすごい緊張が膵臓とか脾臓から腸の方へと広がっていく。
もちろん痛い。おなかをえぐられたみたい。
打ったひともびっくりしていた。
まさか、ちょっと当たっただけなのに、今にも吐きそうな顔して背中を丸めているんだから、何事かと思うのも無理はない。
でも見事。秘孔ですよソコは。
あれから二日経ったけど、今でも身体を捻るような動作をすると、みぞおちの奥に異物感を覚える。こわいね、人の身体はよく出来ているようでモロい。
人の心もモロい。
いま、僕たちは言いようのない不安に立ち向かっている。
お義父さんの容態が良くない。
恐ろしい想像ばかりしてしまう。
つねに肝が冷えているような(実際、不安感は体内の血流量を悪くしているんだろうなぁ)、そんなときに喰らってしまった掌底。内臓に刺激になったのかどうだか。
詳しい状況説明は控えるが、まあ、平和的なコミュニケーションの中で生じた出来事であるとだけ言っておく。もちろん故意でもない。
でもこれが見事に決まった。
みぞおちのいちばん深いところに。
しかも両掌。両手を突き出した人は、これまた姿勢のよい方で(ガタイもデカい)、肩にも力が入りすぎておらず、適度にヒジも伸びていた。位置エネルギーをほぼ完全に運動エネルギーに乗せかえる理想的な打ち方。中国拳法で言うところの「勁(kei)」そのもの。
こういう打ち方されると内臓の奥まで衝撃が来るんだよねぇ。
しばらく息が詰まって、血の気が引いていくのがわかった。
内臓が騒ぐ。ものすごい緊張が膵臓とか脾臓から腸の方へと広がっていく。
もちろん痛い。おなかをえぐられたみたい。
打ったひともびっくりしていた。
まさか、ちょっと当たっただけなのに、今にも吐きそうな顔して背中を丸めているんだから、何事かと思うのも無理はない。
でも見事。秘孔ですよソコは。
あれから二日経ったけど、今でも身体を捻るような動作をすると、みぞおちの奥に異物感を覚える。こわいね、人の身体はよく出来ているようでモロい。
人の心もモロい。
いま、僕たちは言いようのない不安に立ち向かっている。
お義父さんの容態が良くない。
恐ろしい想像ばかりしてしまう。
つねに肝が冷えているような(実際、不安感は体内の血流量を悪くしているんだろうなぁ)、そんなときに喰らってしまった掌底。内臓に刺激になったのかどうだか。
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