放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

<花巻界隈(風鈴)紀行17>

2014年10月03日 00時11分45秒 | あんなこと、こんなこと、やっちゃいました
 ほどなくして一関駅に到着。
 時間が中途ハンパだったからいまいち消化不良。猊鼻渓もちょろっとしか見れない。
 むしろ砂鉄川沿いの広い河原や、その向こうの鉱石採掘現場(露天掘り)のほうがダイナミックで面白かった。
 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」のイメージはむしろドラゴンレール(大船渡線)ではないかと思ったくらいだ。
 じっさい、この近くに賢治さん最後の任地「東北砕石工場」跡がある。ここで採れる石灰に賢治さんは農家の未来を描いた。ブドリやペムペルのように親を亡くすことのないように。稗貫が豊かに肥えるように。
 だが夢は病によって絶たれ、花巻の詩人は帰らぬひととなった。

 一関駅は都市部らしく人の往来が激しい。
 そのせいか、じりっと暑い。
 ふとホームの軒先にチロチロ鳴っている風鈴を発見。喜んだのだが、良く見るとガラスの風鈴。がっくり。
 まあ、ガラスの風鈴がダメってわけじゃあないんだけれど、・・・鉄の風鈴が聴きたかったなぁ。

 ちょっとなんだかお腹が物足りないから何か食べていこうか。

 駅を出て、いや軒沿いに南下するとびゅうぷらざと喫茶店を合わせたようなところがあった。
 暑さ避けのつもりで中に飛び込む。
 
 一関市には独特のお餅料理がある。みたらしや餡子、そのほか銘銘タレをかけた一口大のお餅がずらりと並ぶ。
 彩りもきれいで、東北の冬には華やかでいいだろう。

 というわけでBELAちゃんはお餅。僕は軽くドンブリ飯。

 しばらく涼んでから外に出ようとして、ふと陳列庫(冷)に「世嬉の一」と書かれた缶が一つ。
 あれ、ビール? 日本酒? ???
 HPで調べたら「世嬉の一」は日本酒の造り酒屋。お食事もできるみたい。
 もっとゆっくりまわれたらよかったのに・・・。

 またお店を出ようとしたときに一関市と気仙沼市がくっついているポスターを発見。

 ああ、そうか・・・!

 今日は2014年8月11日。東日本大震災が発生してから3年5ヶ月。
 ポスターは気仙沼市への支援を呼びかける内容だったのだ。
 過去に岩手県内陸地震では一関市も被害をうけ、周辺からの支援が集まった。その時、特に気仙沼市とは助けあって復興に取り組んだという。
 今回は気仙沼市が大変な状況になり、その際、千厩地区が補給支援の前線となった。
 気仙沼市は宮城県だけど、岩手県である一関市から砂鉄川ぞいに下ってゆくルートが発達していた。石巻からリアス海岸を渡るルートよりもこちらの方が行きやすいように思う。二つの地域は隣同士とても縁が深いようだ。東北人らしい、やさしさと、気高さに胸がいっぱいになった。

 さあ、日が暮れないうちに仙台へ戻ろう。
 いろいろな日程を調整しまくって、やっと実現した花巻界隈の旅だった。
 例によって気まま放題の旅。パック旅行(集団行動)ではストレス抜けないので、こういうことをしたくなる。

岩手は魅力的なところでした。
今度は盛岡以北を旅したいな(いつのことやら・・・)。

 さて、時系列で展開してきました<花巻界隈(風鈴)紀行>はここまで。
 お次は<花巻界隈(幻想)紀行>だよ。