かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(27)――朝日歌壇・俳壇から(2015年9月7日~10月19日)

2015年10月19日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

「核兵器、絶対失くしてほしいかな」広まる「かな」のあまりの軽さ
             (富士見市)武川行男  (9/7 高野公彦選)

除染土は永久に日本の一部分どこに置いても誰が埋めても
             (大船渡市)桃心地  (9/13 永田和宏選)

原爆忌被曝の友とゆめで逢ふあの日思へばこころが痛む
             (西海市)原田覚  (9/13 佐佐木幸綱選)

原爆を落とした国の戦争に従いてゆくのか敗戦国は
             (境市)梶田有紀子  (9/21 永田和宏選)

「心配しね、帰村かなへば牛(べご)育でる」老農は笑ひ目頭に手を
             (福島市)斉藤一郎  (9/21 馬場あき子選)

避難地で四十五分の鹿舞(ししまい)を受け継ぎ舞う子ら異郷に生きる
             (福島市)澤正宏  (9/28 高野公彦選)

追われたる生徒の住みし楢葉町学年主任の教え子訪ぬ
             (福島市)武藤恒雄  (10/5 佐佐木幸綱選)

汚染土の袋を次々洪水が攫(さら)いてゆけりこの責めは誰
             (岐阜県)棚橋久子  (10/5 馬場あき子選)

浜辺にはオイランアザミ咲き群れて川内原発見ゆるが哀し
             (熊本市)徳丸征子  (10/12 高野公彦選)

 「首都圏の原子炉」と言われる原子力空母当たり前のように居るではないか
             (熱海市)宮島郁子  (10/19 馬場あき子選)

原爆を落とした国への肩入れを涙しており帰らぬ兵士は
                 (長野市)青木武明  (10/18 高野公彦選)

 

梧桐(あおぎり)の大きな陰に原爆忌
             (富士見市)阿部泰夫  (9/7 長谷川櫂選)

原爆忌伝えて言葉武器となる
             (佐賀県有田町)森川清志  (9/7 大串章選)

美しきこの惑星に原爆忌
             (三郷市)岡崎正宏  (9/7 金子兜太選)

福島の身の毛立ちたる羽抜鶏
             (鴻巣市)佐久間正城  (9/7 金子兜太選)

原爆忌アメリカ終(つい)に謝らず
             (前橋市)荻原葉月  (9/13 金子兜太選)

原爆忌次は十億屍(しかばね)
             (習志野市)吉本久世  (9/13 長谷川櫂選)

心にはフクシマありし震災日
             (埼玉県皆野町)宮城和歌夫  (9/21 金子兜太選)

福島は霧の帳(とばり)の再稼働
             (長崎県波佐見町)増田竹廣  (9/21 金子兜太選)

夜の秋原爆ドーム舎利頭(しゃりこうべ)
             (橋本市)岩橋蘇風  (10/5 長谷川櫂選)

核のゴミ捨て場のなくて彼岸花
             (盛岡市)守屋光雅  (10/19 金子兜太選)



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