
私たちの私鉄総連の顧問弁護士であり、交通の安全と労働を考える市民会議―「ライドシェア」問題を考える―Forum for Traffic Safety and Labourの代表世話人である、宮里邦雄弁護士の、労働弁護士としてこれまでの軌跡をインタビューを通して紹介している本書。
自伝だと紹介されているサイトもあるが、そうではなくて、宮里弁護士を尊敬する労働弁護士が寄ってたかってまとめ上げたのが本書。
(写真は、2016年12月18日、うちの17春闘ハイタク関係組合交流集会で「ライドシェア問題・労働契約法20条の意義と活用」について講演を受けた際のもの@箱根町仙石原文化センター⇒宮里邦雄弁護士に、うちの会議で「ライドシェア問題」と「労働契約法20条」について講演して頂いた。)

(写真は、2019年10月16日、運輸労連の運輸問題研究集会にて「正規と非正規の労働条件格差の是正-労契法20条をめぐる判例動向と新パート・有期労働法-」について講演される宮里弁護士⇒正規と非正規の労働条件格差の是正-労契法20条をめぐる判例動向と新パート・有期労働法-)
第Ⅰ部 インタビューで聞く55年
1 労働弁護士としての遥かなる道
1 最初の不当労働行為事件
2 昭和四〇(一九六五)年代から昭和六〇(一九八五)年代の事件
3 労働運動の内容も時代と共に変化
2 長いたたかいだった「国労問題」
1 マル生反対闘争
2 「スト権スト」と二〇二億円の損害賠償請求
3 国鉄民営分割化と国労への攻撃
3 労働弁護士として生きて
1 弁護士として労働事件に携わる
2 労働弁護士の未来︱︱棗弁護士と労働弁護士の未来を語る
(1) 雇用によらない就業者の労働者性
(2) 新しい就労形態が拡大する中での労働者の保護をどのように図っていくか
(3) 雇用を軽視する制度を認めてはならない
(4) コロナ禍での雇用をどう守っていくべきか
(5) 派遣法とフリーランスという新しい働き方
(6) 八〇歳を超えても第一線で戦える秘訣
(7) これからの労働運動に求められること
第Ⅱ部 裁判をめぐる随筆
第Ⅲ部 折々の記
第1部はインタビュー形式により55年の間に宮里弁護士が関わられた事件等が、その時の争点や宮里氏の思い、政治的や時代的な課題などを織り込みつつ、時系列に沿って紹介されている。
聞き手が、労働組合出身の高井均さん(元連合副事務局長)や「3 労働弁護士として生きて」からは日本労働弁護団の前幹事長の棗一郎弁護士も加わってることもあり、非常に読みやすく、簡潔ながらも、当時の様子が目に浮かぶように読み取れる。
実際に関わった労働事件を通して語られていているため非常に臨場感があるとともに、当時の空気や情勢などが会話の中で伝わり、だんだん引き込まれていく感覚がリアル。
第2部は、宮里先生が労働事件に関して折々に記述されたエッセイであり、これも折々の様子が目に浮かぶ記述である。
第3部は、ご自分の弁護士事務所の広報誌などに寄稿された記事を集めたものだが、「宮里少年」や「宮里青年」の姿が感じられて、宮里先生がさらに身近に感じられるのがうれしい。
実は先日も、うちの加盟労組の労使交渉内容について、法律相談をしたんだが、「どういう交渉、職場対応をしとるんだ、労働組合としての姿勢がなっとらん!」と大いに叱咤激励を受けたとこだ…💦
末永くお元気で、いつまでも前線でのご活躍を❕❕
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