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地域の生活とまちづくりを支えるタクシーとハイタク労働者 ~新しいモビリティ産業の一員であるために~

2019-12-18 | 書記長社労士 公共交通

【Run5-77 5.20km 30:17 姫路城】 一昨日から昨日は、千葉県木更津市の木更津温泉 龍宮城スパ・ホテル三日月 龍宮亭にて、私鉄総連ハイタク春闘交流集会を開催した。
初日には、(株)東京交通新聞社 営業局広告部PR企画課係長の竹ノ内博美氏から「地域の生活とまちづくりを支えるタクシーとハイタク労働者~新しいモビリティ産業の一員であるために~」というテーマで講演を受けた。
竹ノ内さんには、10年ほど前に、私鉄総連交通政策フォーラムで、「タクシー業界の常識は世間の非常識」というテーマで、多くのタクシー会社で採用されている「完全歩合給制賃金(オール歩合賃金)が、いかに問題があり、業界の将来に暗雲立ちこめる制度なのか、について講演を受けたことがあったが、それから10年も経過し、改正タクシー特措法制定時に国会でも問題とされ、附帯決議に織り込まれたにも関わらず、あいかわらず改善がされていない現状について、どう感じているのか、そしてこれからのタクシーはどうすべきか、について話してもらった。
以下は、自分のメモなので、読みにくいかも知れないが、ご容赦願いたい。
 

 オール歩合制賃金、日本広といえども他の業界には無い、若い人たちには嫌われる賃金制度ではあるが、経営者には経営努力が不要な楽な賃金制度だ。
そういうことを過去研究し訴えてきたが、経営側も、労働組合も、改善してくれないので、「タクシーで固定的賃金にするということは間違っていたのか」と感じていたが、今回、この講演を受けた機会に、改めていろいろと調べてみる気になった。

 大阪では24年ぶりの運賃改定、24年分の労働条件改善を求めてもいいのではないか。
これだけ人材不足といわれているが、これはけっして労働者のせいでは無く、あくまでも経営者の問題。
東京特別区武三地区を見ると、5,288人、新しく運転手が入ってきたが、実はそれ以上に辞めていった人が多い。
人手が足りないので「採用!採用!」と経営者は言っているが、入ってきているのに辞めていってしまうからの人手不足であることに気付いていない。
最初は歩合給を補償してくれるが、補償が無くなってから、思ったように稼げなくて、将来に不安になって辞めている。
どうしてこんなに辞めちゃうの?、それは賃金・労働条件に原因があるのでは無いか、と経営者は考えない。

 2009年にオール歩合賃金制度の「構造的要因」論議が必要という話しが実は出ていた。
そして、厚生労働省では「タクシー事業における賃金システム等に関する懇談会」が開催されたが、「固定給に歩合加算推進」となったが、それ以上踏み込まずに言いっ放しになった。
その後は、なぜかこの根本的構造的問題点は放置され、人手不足の議論にすり替わってしまった。

 運賃改定が出てきたので、労働組合は今こそ攻めるという機が来ている。
今回の運改の通達にも「運転者の労働条件の改善状況について自主的に公表すること」「手当額の創設」など講じた措置についても併せて公表すること」とされている。
運賃改定という滅多に回ってこないチャンス、今こそ2年くらいごりごりやるチャンスだと思う。
運賃改定を6:4で分け合ってしまえば、効果が薄まってしまう、ここががんばりどころ。

 この10年、タクシーに対する社会の期待が大きくなっている事を感じている。
「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム」を、8年やってきているが、最初の頃はバスの話しばかりでタクシーの話しはほとんど出てなかった。
しかし今年はほとんどの提案者がタクシーに関わる話しをしていた。(前橋の事例、「MOV」、その他)
地域の足を確保するために、補助金はタクシーに向かっている、「鉄道⇒バス⇒タクシー」と地域交通がダウンサイジングされている。
移動は、A点からB点へ行くという事だけでは無く、目的ために移動、楽しい人生にするためのもの。

 鳥取県の事例、人口が減りすぎてバスが動かせなくなっていて、今までバスにたくさんの補助金を出してきたが、タクシーを中心とする交通体系を構築する、またはタクシー会社が無い場合には自家用車を使っての交通にするという「地域交通課題の解決に向かっての整理」が検討された。



「タクシーを地域交通再編の通過点にしてはいけない!」
群馬県安中市の相乗りタクシー、地元のタク事業者が拒否したため、ボランティア輸送をやることにした。
愛知県豊明「チョイソコ」(スギ薬局が運賃を支払う)、地元のタクシー会社が断ったため市外のタクシー会社が入札で運行、その後その時断った地元のタクシー会社は身売りした。
北海道函館市「おでかけリハビリ」(函館朝市が実施主体)、介護施設は送迎車、高齢者住宅などからはタクシー、その料金は商店会や商業施設が支払う。サービスは拡大している。

 「なぜ市役所がお金を払うといっているのにタクシー会社は断るのですか?」という風に、タクシーの常識が世間の非常識になっているが、皆さんはなぜ断るの理由がわかっているだろう。
「駅待ち、車庫待ち、流し、やりたくないけど予約」、こんな武闘家の経営では、人手不足で新しい交通ニーズに応えられない。

神奈川県「かれんタクシー」(かながわ福祉移動サービスネットワーク)の事例。
広島県「神石高原町地域公共交通協議会」のデマンドバスを廃止して「ふれあいタクシー」を導入した事例⇒デマンド利用時の7倍の利用者増加、高齢者の運転免許返納率も大幅に増加、地元タクシー事業者の収益増加、乗務員の所得もアップ、二種免許取得助成も導入、地元事業者の維持存続に貢献。

 あらためて「タクシーの歩合制賃金がもたらす危機的状況」を考えて欲しい。
 オール歩合でがつがつ稼ぐなんていうマインドで働くことが通用するのは東京の都心部くらいしかないのでは?
日本交通は歩率が良くないけど売り上げが高いから乗務員が集まっているが、こんなのは東京の大手だから通用する。
海外の配車アプリに「稼げる」という新しい夢を見ている経営者もいるが、そうですか?

●事業場外労働は歩合給主体賃金⇒日本広しといえど、オール歩合制賃金システムはタクシーだけ。
●オール歩合累進制賃金(逆累進含む)でなければ乗務員は働かない⇒累進制が労働意欲を増大させるというのは幻想⇒需要が多様化し実態に合わない。
●タクシーは歩合給なので努力次第で稼ぎたい人には向いている職業⇒現在のタクシー産業に「荒稼ぎできる」というかつての職業イメージは消滅⇒若年層や助成にとって「ノルマ」「歩合」という言葉は「コワイ」というイメージ⇒産業に活力を与える求職者層からは決定的に忌避される賃金システム⇒産業衰退の危険性。
●減車と同一地域同一運賃が実現すれば労働問題は解決するか⇒本来経営が負うべき経営リスクがほぼすべてを労働者が引き受ける賃金形態は産業構造の歪みや不合理を生むだけ。

 こんなにもタクシーの公共性が上がっていますよ、社会性が上がっていますよ、といっても、このままではそれに応えられない。
タクシーの長年にわたる雇用慣習は今や、労働市場への悪影響にとどまらない。
このままではタクシー産業が地域社会の担い手という重要な役割を担いきれず、産業が消滅していく重大なきっかけになりかねない。
今こそ、地域社会の支え手となるようなモビリティ産業を目指し、固定給を中心とした新しいハイタク賃金・労働条件を提案してほしい。

皆さんに是非考えてほしいこと。
①少子高齢化が進む地方部でのタクシーの役割と仕事
②地域社会の重要な移動手段であるための小用と働き方
③タクシー乗務員の将来の理想の姿
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チョイソコ記事拝見しました。 (チョイソコくん)
2020-01-16 23:40:44
初めまして。
チョイソコ事業を運営している会社に勤務し本プロジェクトを担当している「チョイソコくん」と申します。
非常に興味深い記事を拝見しました。
チョイソコ事業は、地元タクシー会社様と共存した高齢者の外出機会創出による健康寿命延伸を目的としております。またおでかけの目的となるコトづくりに重点を置いています。
またタクシー事業者様との協力で運行を実現しています。ただ21条の実証試験後はタクシー事業者様には一般乗合区域運行の4条申請が必要となりますので、そこはハードルがあると思います。
ご支援の程、お願い申し上げます。

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