9月2日、交運労協ハイタク部会で、広島県福山市鞆の浦でアサヒタクシー(株)が運行している「グリスロ潮待ちタクシー」を視察してきた。

グリーンスローモビリティ(略称:グリスロ)とは、時速20km未満で公道を走ることが可能な4人乗り以上の電動パブリックモビリティ。
環境への負荷が少なく、狭い路地も通行が可能で、地元の高齢者の足の確保や観光客の散策支援などの「新たなモビリティ」、国土交通省としても昨年度から支援を行っている。
広島県福山市鞆の浦でのこのグリスロは、2018/11/16~29に7人乗りゴルフカート2台で実証調査を行い、その後、今年4月19日から、アサヒタクシー(株)が「グリスロ潮待ちタクシー」としてタクシー事業を開始、グリーンスローモビリティによる本格事業開始は全国初。




まずは実際に、福山市鞆支所⇒常夜灯⇒医王寺⇒沼名前神社⇒福山市鞆支所のコースを、30分掛けて乗車。
車は、ヤマハの電動ゴルフカート、運賃メーター、無線機、スーパーサインが装着され、運賃は小型で初乗り1.5km630円。
ドライバーさんが、グリスロとしてのいいところ悪いところを解説してくれながら、とってもわかりやすく観光案内もしてくれる。
最高時速は20kmとのことだが、鞆の狭い町中を走っていると、意外に速いことに驚く。
一晩で充電でき、満充電でほぼ一日の走行は可能、燃料代(電気代)は60円(!)




朝夕は地元の人の病院への送迎が多いが(普通のタクシーでは入れないようなところに住んでいるお年寄り)、日中は観光客の利用が多くを占めるとのことで、通常、8時半から18時まで営業しているが、一日の水揚げは2~3万円(!!)
宮崎駿監督がお気に入りのカフェを前を通り、宗介の家の横を通り、医王寺まで登って、鞆の浦の絶景を見せて貰った。

ここまでは道が狭すぎて普通の車では上がって来れず、しかもかなりの急坂、しかしこのグリスロなら、直近まで上がってこれるので、お年寄りの観光客にはたいへん喜ばれるとのこと。

全員の乗車体験後、福山市鞆支所の会議室にて、福山市建設局都市部の桒原課長補佐兼次長(企画担当)、アサヒタクシーの山田社長、中国運輸局旅2の舘課長補佐からご説明をいただき、意見交換を行った。
実証実験は鞆鉄とアサヒタクシーとで実施、鞆の浦までは福山駅からバスが20分間隔、所要時間30分で、日に50便運行していて、主に住民と観光客が利用しているが、鞆の町中を走る地域交通・観光交通の確保が課題であった。
加えて町内は、道路が狭隘なので慣れない観光客が離合できず渋滞が発生することが多く、通過交通を排除したいとも考えていた。
いにしえより潮待ちの港として栄えた鞆の浦にちなみ「グリスロ潮待ちタクシー」と名付けた。
実証実験では、①暮らしおたすけルート(鞆鉄道)、②絶景おもてなしルート(アサヒタクシー)、③走島おでかけルート(地域ボランティア)の3つのタイプの運行を行った。
結果、2週間で1071人利用(グリスロの実証実験として最多)、内訳は住民3割・観光客7割、60歳以上が全体の5割弱であった。

その後、本格導入に向けて本省と中国運輸局との協議、使用する車両が、ヤマハ「AR-05」。
ドアがない車両なので安全性の確保に対する担保が必要(側面衝突に関する)という課題があったが、出会い頭事故の起こるような交差点がない(十字路は3カ所、その他は三叉路)、町中全体が狭隘なので速度が出ない、ということで事故が非常に少ない地域という、警察からのお墨付きを貰い、緑ナンバーの交付を受けることが出来た。(エリアを限定し運用要領をまとめ、その前提でゴーサインが出た)
また、速度メーターが付いていないことから運賃メーターを装着できるかという課題もあったが、矢崎とヤマハの静岡工場に出向きパルス信号が取れることを確認、運賃メーターの取り付けが可能となった。
その後、福山市地域公共交通会議で審議し運行を承認、わずか4ヶ月で事業開始にこぎ着けた。
今後の構想としては、「パーク&グリスロ」として交通拠点として考えており、ラストワンマイル、末端交通の一つの手段として、市内で展開を検討している。
現在、車両購入について補助金の申請を出しているおり(アサヒタクシー1台。福山市が2台)、福山市購入分については鞆鉄にバスとして運行委託しようと考えている。(車両購入費の2分の1補助)とのこと。
「鞆」という街の地形と観光客が多いという特殊な前提条件の下なら、たいへん有効なグリスロだと感じた。
運行に関して、補助金を受けずに、単独で採算を出すことを前提とされており、事業の持続性も期待が出来、非常にポジティブでもある。
どこでも真似が出来る運行では無いが、例えば、神戸の異人館の周辺であったり、長崎の限られた地域などでは可能ではなかろうか。
ところでこのグリスロの一番の問題は、夏の暑さと冬の寒さだ、クーラーもヒーターもなく、吹きさらしだし…。

グリーンスローモビリティ(略称:グリスロ)とは、時速20km未満で公道を走ることが可能な4人乗り以上の電動パブリックモビリティ。
環境への負荷が少なく、狭い路地も通行が可能で、地元の高齢者の足の確保や観光客の散策支援などの「新たなモビリティ」、国土交通省としても昨年度から支援を行っている。
広島県福山市鞆の浦でのこのグリスロは、2018/11/16~29に7人乗りゴルフカート2台で実証調査を行い、その後、今年4月19日から、アサヒタクシー(株)が「グリスロ潮待ちタクシー」としてタクシー事業を開始、グリーンスローモビリティによる本格事業開始は全国初。




まずは実際に、福山市鞆支所⇒常夜灯⇒医王寺⇒沼名前神社⇒福山市鞆支所のコースを、30分掛けて乗車。
車は、ヤマハの電動ゴルフカート、運賃メーター、無線機、スーパーサインが装着され、運賃は小型で初乗り1.5km630円。
ドライバーさんが、グリスロとしてのいいところ悪いところを解説してくれながら、とってもわかりやすく観光案内もしてくれる。
最高時速は20kmとのことだが、鞆の狭い町中を走っていると、意外に速いことに驚く。
一晩で充電でき、満充電でほぼ一日の走行は可能、燃料代(電気代)は60円(!)




朝夕は地元の人の病院への送迎が多いが(普通のタクシーでは入れないようなところに住んでいるお年寄り)、日中は観光客の利用が多くを占めるとのことで、通常、8時半から18時まで営業しているが、一日の水揚げは2~3万円(!!)
宮崎駿監督がお気に入りのカフェを前を通り、宗介の家の横を通り、医王寺まで登って、鞆の浦の絶景を見せて貰った。

ここまでは道が狭すぎて普通の車では上がって来れず、しかもかなりの急坂、しかしこのグリスロなら、直近まで上がってこれるので、お年寄りの観光客にはたいへん喜ばれるとのこと。

全員の乗車体験後、福山市鞆支所の会議室にて、福山市建設局都市部の桒原課長補佐兼次長(企画担当)、アサヒタクシーの山田社長、中国運輸局旅2の舘課長補佐からご説明をいただき、意見交換を行った。
実証実験は鞆鉄とアサヒタクシーとで実施、鞆の浦までは福山駅からバスが20分間隔、所要時間30分で、日に50便運行していて、主に住民と観光客が利用しているが、鞆の町中を走る地域交通・観光交通の確保が課題であった。
加えて町内は、道路が狭隘なので慣れない観光客が離合できず渋滞が発生することが多く、通過交通を排除したいとも考えていた。
いにしえより潮待ちの港として栄えた鞆の浦にちなみ「グリスロ潮待ちタクシー」と名付けた。
実証実験では、①暮らしおたすけルート(鞆鉄道)、②絶景おもてなしルート(アサヒタクシー)、③走島おでかけルート(地域ボランティア)の3つのタイプの運行を行った。
結果、2週間で1071人利用(グリスロの実証実験として最多)、内訳は住民3割・観光客7割、60歳以上が全体の5割弱であった。

その後、本格導入に向けて本省と中国運輸局との協議、使用する車両が、ヤマハ「AR-05」。
ドアがない車両なので安全性の確保に対する担保が必要(側面衝突に関する)という課題があったが、出会い頭事故の起こるような交差点がない(十字路は3カ所、その他は三叉路)、町中全体が狭隘なので速度が出ない、ということで事故が非常に少ない地域という、警察からのお墨付きを貰い、緑ナンバーの交付を受けることが出来た。(エリアを限定し運用要領をまとめ、その前提でゴーサインが出た)
また、速度メーターが付いていないことから運賃メーターを装着できるかという課題もあったが、矢崎とヤマハの静岡工場に出向きパルス信号が取れることを確認、運賃メーターの取り付けが可能となった。
その後、福山市地域公共交通会議で審議し運行を承認、わずか4ヶ月で事業開始にこぎ着けた。
今後の構想としては、「パーク&グリスロ」として交通拠点として考えており、ラストワンマイル、末端交通の一つの手段として、市内で展開を検討している。
現在、車両購入について補助金の申請を出しているおり(アサヒタクシー1台。福山市が2台)、福山市購入分については鞆鉄にバスとして運行委託しようと考えている。(車両購入費の2分の1補助)とのこと。
「鞆」という街の地形と観光客が多いという特殊な前提条件の下なら、たいへん有効なグリスロだと感じた。
運行に関して、補助金を受けずに、単独で採算を出すことを前提とされており、事業の持続性も期待が出来、非常にポジティブでもある。
どこでも真似が出来る運行では無いが、例えば、神戸の異人館の周辺であったり、長崎の限られた地域などでは可能ではなかろうか。
ところでこのグリスロの一番の問題は、夏の暑さと冬の寒さだ、クーラーもヒーターもなく、吹きさらしだし…。
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