さっちゃんがポークステーキを焼いてくれました。
付け合わせも完璧でレストランのようです。
うーん、美味しい。
じゅわっと肉汁ほとばしるジューシーな厚切り肉に脂の旨味が絡み極上の美味しさ。
岩塩と黒胡椒のスパイス、赤ワインと醤油ベースのソースが豚肉本来の旨味を存分に引き出し、こりゃ旨いとビールがグイグイ進みます。
これは美味しいなあ。
ヨーロッパでも中国でも、長い歴史のなかで最高のご馳走肉といえば豚肉でした。
ちなみに牛肉は、労働や搾乳に適さなくなった固い廃牛をもったいないから食べるくらいのポジションです。
ドングリなどで飼育でき、多産で生後半年で食用にできる豚は、貴重なタンパク源として、そしてハレの日のご馳走として人々に活力と元気を与え続けてきました。
美味で栄養豊富、その上ハムやベーコン、ソーセージなどの保存食に加工しやすい豚肉は、どれだけ人々の健康と幸せに貢献してきたことでしょう。
豚肉って偉いですねなんてしみじみ味わったポークタイムでした!
ワカコ酒 1巻 | |
新久千映 | |
ノース・スターズ・ピクチャーズ |
新久千映先生の「ワカコ酒」を読みました。
面白かったです。ほっこりしました。
ワカコさんが会社帰りににふらりお店に寄ってお酒を飲む・・・というだけの漫画です。
しかし描写の端々から溢れる肴と酒への愛が素晴らしく喉が鳴ります。
焼鮭、枝豆、軟骨唐揚げ、チヂミ、ジャガバタ、腸詰、・・・普通のおつまみが、ワカコさんの緻密なモノローグで極上の美味として表現されます。
そしてそこにお酒が加わった瞬間、「プシュー」と究極の満足に包まれ魂が開放されます。
このワカコさん、深酒はしません。一肴一酒をじっくりゆっくり味わい、ほんのり幸せ感に包まれて帰途につきます。
こんなお酒の飲み方も素敵ですね。
お酒って本当にいいものですね、そう思わせてくれる良作です。
チーズハンバーグって、美味しいですよね。
ジューシーな熱々ハンバーグの上にとろーりチーズ、なんて贅沢な組み合わせだろうと思います。
固い肉を食べやすくとの願いから作られたハンバーグ、牛乳を日持ちよくとの願いから作られたチーズ、なんていうか人類の食への願いが凝縮されたような美味しさだなあと思います。
休日の午後、ちょこっと一杯と藍屋に。
新メニューに五島列島産アジフライ(320円)を発見。
お、ドリンクメニューにサントリーオールド(350円)がある。飲兵衛のツボを押さえてますね。
五島列島産アジフライとサントリーオールド水割り到着。
なんか色々ついてます。
ソースをどぼどぼかけまわし、大根おろしとわさびをのっけます。
うん、美味しい。
からり揚げたての衣にぎゅぎゅっと閉じ込められたアジの旨みがふわりと舌に広がり感嘆の美味しさ。
そこへ発酵野菜の恵みウスターソースとさっぱり大根おろし、爽やかなわさびの薫りが絡み絶妙な美味へと昇華します。
サントリーオールドとの相性も抜群で、しっとり流れる優雅な午後の時間。
アジフライって本当に美味しいですねなんてオールドタイムでした!
異世界居酒屋「のぶ」(1) (角川コミックス・エース) | |
ヴァージニア二等兵 | |
KADOKAWA / 角川書店 |
ヴァージニア二等兵先生の異世界居酒屋「のぶ」を読みました。
面白かったです。
本作は、中世ヨーロッパ人が現代日本の料理を食べたらどう感じるかを考えるIF漫画です。
中世欧州の食と言えばかなり質素で、パンや豚肉は高級品でした。
主食は薄い穀物の粥かジャガイモ、肉は塩漬け肉か腸詰で、たまに固い廃牛や廃鶏が出回る程度。
お酒は酸化して酸っぱくなったぬるいエール。
そんなところに何故だか現代日本の居酒屋さんが開店します。
キンキンに冷えた生ビールに枝豆。おでんに鶏の唐揚げ、湯豆腐にキスの天ぷら。
当たり前の居酒屋メニューが、中世ヨーロッパ人には人生最高の美食として驚嘆をもって迎えられます。
未知の美味しさへの感動が情熱的で味の表現が緻密で、思わず引き込まれ喉がなります。
考えてみたらおいらだって生まれて初めて唐揚げとか食べたら人生観変わる級の美味だよなあなんて納得。
そうか現代日本で暮らすって人類史上最高の美食を当たり前に味わえる特権なんですね、なんて気づかせてくれる良作です。
ひな祭りにちらし寿司をご馳走になりました。
さっぱりと爽やかな酢飯に、かんぴょう、椎茸、穴子、卵の甘辛四兄弟が絡み極上の美味しさ。
そこにマグロ、海老、イクラ、海苔の海産四天王が彩りと旨みを加え桃源郷の美味に昇華します。
うーん、これは本当に美味しい。
ちらし寿司ってお祭り感があって何やらワクワクしますねなんてひな祭りタイムでした!
サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福 | |
ユヴァル・ノア・ハラリ | |
河出書房新社 |
ユヴァル・ノア・ハラリ先生の「サピエンス全史」を読みました。
凄い本です。鳥肌が立ちました。
10万年前はアフリカの隅で細々と暮らすか弱い存在でしかなかったホモ・サピエンス。
当時は幾種のホモ属、つまり人間の祖先たり得る類人猿が地球上に分散していました。
中でもヨーロッパを地盤とするホモ・ネアンデルターレンシス、いわゆるネアンデルタール人は体格・知能ともに大変優れており、サピエンスが戦いを挑んでもとても勝てませんでした。
しかし7万年前、サピエンスの脳に「認知革命」が起こります。認知革命でサピエンスが手に入れた新しい能力、それが「想像力」です。
「想像力」とは目の前に存在しないものを認識し信じる能力、言い換えれば「神話を信じる能力」のことです。
例えば私たちは「お金」という神話を信じています。何の疑問もなく1000円札とお米を交換したりしています。
ただの紙ペラでしかない1000円札に価値があるという神話、これを共有することができるのはサピエンスに「想像力」という特殊能力があるからです。
「国」という神話、「法律」という神話、「会社」という神話、巨大な社会を形成するためには神話を共有するための「想像力」が必須となります。
7万年前、「想像力」を手に入れたサピエンスは、「群れ」でしかなかった集団を集落などの「社会」に昇華させます。
それにより大人数での組織的な行動が可能となり、1対1なら勝てなかったネアンデルタール人を次第に圧倒していきます。
想像力は、「農業革命」をも引き起こします。
農産物の栽培、これは「来年のことを考える想像力」があって初めて実現する革命です。
この農業革命により、サピエンスは飛躍的に大量の食糧を手に入れることができるようになりました。
しかしこのことは一方で、大きな悲劇を生みだします。
働かずに食べるサピエンスたち、つまり「エリート層」の出現です。
エリート層は食料生産にはかかわらず、王、神官、役人などを名乗りサピエンス達を支配し重税をかけるようになります。
これにより大多数のサピエンスは狩猟採集時代より栄養状態が悪化するという皮肉な結果をもたらします。
そんな食うや食わずの庶サピエンスたちを尻目にエリートサピエンス達は書記体系や法律、貨幣制度を整備し、巨大都市、巨大国家を形成していきます・・・というお話。
内容そのものの面白さもさることながら、ユーモアをたっぷりと交えた語り口にクスリと笑わされます。
サピエンスがどうやってここまで来たか、そしてこの先どうなるのかが説得力たっぷりに語られ、目から鱗がボロボロこぼれます。
ホモ・サピエンスの歴史と未来を斬新な視点で俯瞰できる名著です。
ひな祭りの池袋西武をぶらぶらさていると、アンリ・シャルパンティエになにやら人だかりができています。
どれどれと覗くと、ひな祭りケーキが販売しているようです。
ひな祭りにケーキってのも乙かもですねなんて購入。
思わぬケーキの登場に踊り出す子供。
「ひなまつり」のプレートと三羽並んだうさぎもチョコレートと子供心をくすぐる構成。
私が切る!と子供。
切り分けたケーキを見て目がにゅう。なにやら一つだけ大きく切り分けられてます。
私これ!と子供。抜け目ないなあ。
うーん、美味しい。
ふんわり柔らかなスポンジケーキにふわふわ軽い苺風味の生クリームが絡み極上の美味しさ。
美味しいね、うん美味しいねと頷きあいます。
ホールケーキってイベント感あっていいですね。
♪今日は楽しいひな祭り♪かあ、なんてひとりごちたケーキタイムでした!
サミットをぶらぶらしていると、ヒマラヤ岩塩をワゴン売りしていました。
ミル付きで198円ならお手頃と購入。
3億年前の海が凝縮された塩の化石、ピンク色に透き通った姿は何やら神秘的な雰囲気です。
ミルを回し茹でた大根にひとふり。
うーん、美味しい。
塩味が丸く穏やかで深い旨み。
目を瞑ると、遠い祖先が漂ったであろう大古の海が脳内に再生されます。
世界中の様々な宗教・文化で神聖なものとされてきた塩、何やら生命の源って味ですねなんてヒマラヤタイムでした!
日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち (新潮選書) | |
板谷敏彦 | |
新潮社 |
板谷敏彦先生の「日露戦争、資金調達の戦いー高橋是清と欧米バンカーたち」を読みました。
凄い本です。勉強になりました。
日本がロシアへ宣戦する際、最大の懸念材料が戦費でした。
当時の国家予算の実に数倍もの戦費が必要との試算に、元老たちは頭を悩ませます。
特に深刻なのは外貨の不足です。
円は最悪、増税と国債の発行によってなんとか調達できます。
しかし資源輸入国の日本は、外貨がないと兵隊用の外套一枚、砲弾一発も作れません。
そこで政府は日銀副総裁高橋是清を英国に送り込み、当時の基軸通貨であるポンド建てで公債の発行を試みます。
しかしまだまだ国家の信用が低い日本は、高金利を提示してもロンドンの金融機関から相手にされません。
そんな日本を尻目に低金利で潤沢な資金を調達するロシア。
絶望的な状況の中、高橋是清は百戦錬磨の欧米バンカーたちと渡り合い、戦費を調達することができるのか!というお話。
金融と戦争の関係が詳細に分かりやすく記載されており、目から鱗がボロボロこぼれます。
日本が戦闘に勝つたびに戦前は低かったロシアの公債金利が上がり続け、ロシアは資金調達に苦しむことになります。
ロシア皇帝ニコライ二世の戦争継続意欲は、日本海海戦によるバルチック艦隊の壊滅をもってしても挫くことはできませんでした。
しかしその敗戦は欧米金融機関の融資意欲を挫き、結果ロシアの戦費調達が停止し、戦争継続が不可能になります。
結局日露戦争を終結させたのは、日露共に行き詰った資金調達事情でした。
講和でのエピソードも秀逸です。
「新聞屋にネタをくれてやるために来たわけではない!」と言い放ち秘密主義を貫く日本全権小村寿太郎。
それに対しロシア代表ウィッテは積極的な記者会見や記者懇談会を行い、また売れそうなネタをリークするなど新聞記者たちへのサービスに努めます。
これにより当初日本に同情的だった欧米メディアはみるみるロシア寄りになり、欧米の世論形成に大きな影響を与えました。
戦争とお金、世論の仕組みを大きなスケールで分かりやすく描き切った名著です。