ひのっき

あったかくてぐっすりでごはんがおいしくてよかったねうれしいねなんて小さなしあわせ探し雑記

異世界居酒屋「のぶ」は人類史上最高の特権に気づかされる良作

2017年03月07日 | 絵日記
異世界居酒屋「のぶ」(1) (角川コミックス・エース)
ヴァージニア二等兵
KADOKAWA / 角川書店

ヴァージニア二等兵先生の異世界居酒屋「のぶ」を読みました。

面白かったです。

 本作は、中世ヨーロッパ人が現代日本の料理を食べたらどう感じるかを考えるIF漫画です。

中世欧州の食と言えばかなり質素で、パンや豚肉は高級品でした。

主食は薄い穀物の粥かジャガイモ、肉は塩漬け肉か腸詰で、たまに固い廃牛や廃鶏が出回る程度。

お酒は酸化して酸っぱくなったぬるいエール。

そんなところに何故だか現代日本の居酒屋さんが開店します。

キンキンに冷えた生ビールに枝豆。おでんに鶏の唐揚げ、湯豆腐にキスの天ぷら。

 当たり前の居酒屋メニューが、中世ヨーロッパ人には人生最高の美食として驚嘆をもって迎えられます。

 未知の美味しさへの感動が情熱的で味の表現が緻密で、思わず引き込まれ喉がなります。

 考えてみたらおいらだって生まれて初めて唐揚げとか食べたら人生観変わる級の美味だよなあなんて納得。

 そうか現代日本で暮らすって人類史上最高の美食を当たり前に味わえる特権なんですね、なんて気づかせてくれる良作です。