ハッピー&ラッキー

コレクターズとピロウズとANATAKIKOU、その他音楽やいろいろ。

感想

2007-11-10 | ANATAKIKOU
ANATAKIKOUの新譜、「YELLOW MATAEOR」をずっとヘビロテしていました。そしてこのアルバムについての感想がようやくまとまりました。

これは素晴らしいアルバムです。でも私の求めていたANATAKIKOUのアルバムではありません。

なぜか英文和訳調ですが気にも留めないでください。本当にいい曲多いしバランスもいいし心地よいサウンドなのですが、私はそういうものが聴きたくてANATAKIKOUのファンでいるのではない。他のどのバンドにも出せないANATAKIKOU独自のメロディが聴きたくてファンなのに、今回のアルバムは「他にもいそうないい曲を書くバンドの新譜」のようでした。なので、このアルバム自体に文句はないのですが、私の聴きたかった音とは違っていたということです。

私が音楽に(まんがや小説もですが)求めているのは「このバンドにしか作ることの出来ない個性」です。他でも聴けそうないい感じの曲は、他の売れてるそのへんのバンドに任せて、ここでしか聴けないという独自性を求めてしまいます。だからはじめてANATAKIKOUを聴いたとき、あまりの素晴らしさに、そしてこのバンドにしか出せないであろう個性的な音に惹かれて一発でファンになったのでした。新譜の「ニューライト」も「MY GIRL」もすごくいい曲で好きですが、初めて聴いた「甘い種の不思議」に惚れて、公式に質問してまでその曲の入ってるオムニバスを手に入れるほどの情熱は生まれないでしょう。

もちろん、音楽を聴く大半の人は別の私のような聴き方をしてるわけじゃないと思います。世の中でたくさん売れているバンドの傾向を見ても、別にオンリーワンの個性でなければダメということはないみたいだし、似た傾向のバンドをいくつも好きという人は多いのでしょう。実際私も「そこそこ好き」くらいなら、そこまで突出した個性的なバンドでないものも好きです。ただANATAKIKOUは私にとって、「ANATAKIKOUでなければ手に入らない音楽」を生み出してくれる対象だった。それが、今回はその期待に応えてくれるアルバムではなかった、ということでした。

ANATAKIKOUのファンはやめません。この一枚で判断するには早計だと思うし(ただメッセージパイもちょっと嫌な予感はあった)、上記にもありますがやっぱりいい曲、心地よいサウンドにはお金を払う価値はあると思います。正直ここまで思い入れてないファンには、こんな決意表明も奇妙に映るかもしれない。ただ、あの鮮烈な曲たちにはもうこれから会えないかもしれないという覚悟を持って聴くことになるだけだと思います。このアルバムの評価は難しい。私の期待していたものがなかった、というだけなので、「どこが悪いか」は存在しないんですよ。つまり言ってしまえば、問題はANATAKIKOUでなく私のほうだということなのだと思います。

そこまでの妙な思い入れを排除すれば、上にも書きましたが「ニューライト」も「MY GIRL」もすごく好き。両方ともサビの部分が盛り上がって楽しくなるね。「MY GIRL」は悲恋の歌っぽいですが。ライブで聴いたらいい感じだろうなあ。ほくちゃまの「フライングボストンバッグ」も楽しそう。下校途中のバカ中学生っぽくて可愛いなあ。北條さんらしい歌詞でほのぼのします。