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音楽と野球

2006-10-06 | その他
以前もちょっと書きましたが、最近野球を見るようになって、同じエンターテイメントといえど音楽とずいぶん違う面があることに非常に興味深く思っています。

ちょっと前に私の好きな日ハムの、エース金村がとある事件を起こしました。話題になったのでご存知の方も多いでしょうが、「五年連続二桁勝利がかかった試合の途中で、監督から交代を命ぜられ、その試合(結局負けちゃった)のあとのインタビューでその交代に関して不満を漏らした」というものでした。詳しく言うとその文句の内容は、自分よりも成績のいい若手の名前を出して、「彼らだったら交代させなかっただろう。監督は外国人だから日本人の記録などどうでもいいのでしょう」といったもの。

私は本当にごく最近ファンになったので、いろいろ大変だなあ程度にしか考えてなかったのですが、何とこの発言に対し球団側は「200万円の罰金とプレイオフ終了までの出場停止」という措置を下したのでした。厳しい処分にたまげていたら、ファンの間では「意外と処分軽かったね」と言われていて二度びっくり。

これって例えばバンドにしてみたら、首脳陣批判って事務所やレコード会社の悪口を言うことに相当すると思うのですが、そんな重い処分聞いたこともなかったので、プロスポーツって厳しいんだな~と考えさせられたものです。「あのアルバムが売れなかったのはプロデューサーが糞だったからさ!」みたいな発言をする海外ミュージシャンなんて、80年代はゴロゴロしてたし(最近は聴かないからよく分かりませんが)、CCCD問題やリリースに関して、けっこうおおもとのスポンサーに楯突くミュージシャンも珍しくない。同じ「才能や能力を発揮して、それを元にファンがお金を払い、企業が運営する」という形を持っていても、スポーツと音楽って全然違うんだなーとあらためて思ったわけです。

ただ、同じエンターテイメントといえども、やっぱりスポーツと音楽って発露の方法が大分違うので、種類としてはまったく別なのだというのも最近理解し始めました。例えばどんなにいい音楽を作っていいライブやっても、それが評価されるとは限らない音楽に対し、スポーツはすごく分かりやすく数字で表されるのがいい面ですね。1対2の勝負なら、2点取ったほうが勝ちってすごく分かりやすい。個人がどんなにがんばっても、チームが勝たなきゃ意味がないという面もあるとはいえ、個人の成績はホームランだとか完封だとかでちゃんと記録にも残るし。でもどんなに才能があっても、機会に恵まれなければ記録が残せない場合もあったりするのかな。それでも音楽よりは分かりやすい評価のされ方がうらやましいなと思わないでもないです。

こういうこと考えるとやっぱり、音楽って正当な評価を受けることが難しいジャンルなんだなと感慨深い。1対2の勝負で勝ったチームみたいな分かり易さがないと言うか。同じバンドでも、このアルバムが好きでこのアルバムは嫌い、という人がいれば、まったく逆の評価をする人もいる。しかもそれが個人の評価という面では誰にも間違いだ正解だという答えが出ないわけですよ。自分の好きな音楽が、正当に評価されないという不満にもつながりますが、それがまた面白いとも言えるのかもしれない。分かりやすい相対的な基準がない分、自分はどんな音楽が、どんなバンドが好きなのかという好みが、自然と明確になっていくのも楽しいです。

もちろん、明確な評価があろうとなかろうと好きになってしまう現象はよくあるので、スゲー弱いチームも気合入れて応援している人とか見るとちょっと嬉しくなります。チームの強弱と人気が必ずしも正比例しないというプロ野球の一面を知ったときは、分かりやすい基準なんて結局意味をなさないのかもなあとも思いました。

とりあえず日ハムプレイオフがんばれ~。